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387 リハーサルのお手伝いをするも、衝撃の展開に!?

 

 翌日夕方。事前に話していた通り、ミミが機材調整のお手伝いをする事になった。


 少し早く着いたせいか、しばらく待つことになる。


 俺たちは暇つぶしに特設ステージを歩いて回った。


 ステージから客席に行き、階段を上っていく。


 最上段に着くと、周囲を見渡す。


 もともと高所にあるせいか、街や海が綺麗に見える。


 海の方を見ていると、遠方に広い空間が設けられているエリアがあることに気付いた。


 そこで何やら作業が行われている。


 人が入れるほど大きな筒を等間隔で設置しているのだ。


 周囲に人が近寄れない場所という事から推察するに、きっとあそこで花火を打ち上げるのだろう。


「あれが花火を上げる場所か」


「そうだよ。この街の花火は凄いんだから。期待してていいよ」


 俺たちを見つけて、近づいてきたステファニーさんがどこか得意気に話す。


 確かに打ち上げ場所を見ると、相当な規模のようだ。


 こちらに話しかけてきたステファニーさんは、終始ニマニマしており、偉く上機嫌な様子だった。


「何かいいことでもあったんですか?」


「そりゃあ、先輩が歌の練習を始めるって言ってくれたからに決まってるじゃん。それをお手伝いできるんだから、嬉しくってさ」


「ああ、昨日の一件ですね。今日から練習するんですか」


「そうだよ。お昼ごろ、一緒に練習したんだ。これから毎日練習するなんて、昔を思い出すなぁ」


 と、ステファニーさんがとても楽しそうに話す。


 この感じだと、練習の雰囲気は悪く無さそうだ。


「その時は、ステファニーさんがフローラさんに教わっていたんですよね」


「そうそう。私が下手っぴで全然上達しなかったのに、先輩が根気強く丁寧に教えてくれたの」


「へぇ、光属性の魔法って難しいんですね」


 ミミの上達速度を見ているせいか、どの程度が標準なのか分からないんだよな。


「まあね。ミミちゃんがすぐマスターしたから想像できないかもしれないけど、大変なんだから。でも、先輩はずっと付いてくれたの。私が落ち込んだときも、すっごい励ましてくれてさ。だから今度は私が一杯お手伝いするんだから」


 ステファニーさんはぐっと拳を握り締め、決意を語る。


「フローラさん、歌えるようになるといいですね」


 酔っていれば歌えたし、ヒントやコツのようなものが掴めれば、うまく行きそうな気はするんだよな。


「うん。先輩が笑って歌っているところがまた見たいなぁ……」


 フローラさんが歌っていた時のことを思い出したのか、ステファニーさんが懐かしそうな顔で海を見つめながら小さく呟く。


 俺も同じように海を見つめていると、背後から俺たちを呼ぶ声が聞こえてきた。


「それじゃあ、テストをお願いしようかしら。ステージに上がってくれる?」


 と、マイクを持ったリンダさんがステージに来るようにと手招きしていた。


「ミミ、行こうか」


『うん!』


 リンダさんに促され、ステージへ上がる。


 センターにはマイクスタンドがあったが、最低の高さにしてもミミには少し高い。


 それを想定して側に踏み台が置かれていた。


 ミミはちょっと緊張しているのか、どこかぎこちない動きで踏み台に上がる。


「装置は起動しているから、一曲歌ってみて」


『はーい!』


 ミミに目で合図を受け、俺がハーモニカを吹く。


 それに合わせてミミが歌いだした。


 歌が始まった途端、皆が目を閉じて歌声に耳を澄ます。


 というか、機材の調整をするはずなのに、そんなに聴き入っていて大丈夫なのだろうか。


 案の定、皆が急に我に返り、機材を見て忙しなく動き始めた。


 一曲歌い終わると一旦休止になり、俺たちはステージで待機。


 スタッフたちが打ち合わせを始める。


 しばらく話し合った後、リンダさんがこちらに声をかけてきた。


「ありがとう。今のを参考に調整作業に入るわ。今日は上がってもらっていいわよ」


 どうやら今日は一回歌うだけでよかったみたいだ。


 ミミがちょっと物足りなさそうな顔をしているが、朝も歌っているし、ほどほどが一番だ。


 機材を動かすなら、俺も手伝おうかな。


「俺も手伝いますよ。重い物なら任せて下さい」


『ミミもやるの!』


「助かるわ。こっちよ」


 俺の申し出に、リンダさんが笑顔で手招きする。


 俺たちはリンダさんの後を追い、お手伝いに参加した。


 …………


 手伝いを終えた帰り道、周囲の風景が一変していた。





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