385 月見団子のとんでもない威力に驚愕!?
月見団子を見たテリーさんが驚きの表情で固まる。
「どうしたの?」
そんなテリーさんの姿を不思議に思ったフローラさんが首を傾げた。
「いや、なんでもない。それより、食った方がいいぞ」
「分かったわよ。まるもっちーさん、いただきます」
「どうぞ」
「甘い……。あれ……? 痛くない」
月見団子を食べ終えたフローラさんが体の違和感に気付き、呟く。
「多分治ってるはずだ」
その様子を見ていたテリーさんが、訳知り顔で言った。
「そんな早く治るわけないじゃ……、治ってる……」
「軽傷で良かったです」
包帯を外して驚くフローラさんに声をかける。
ケガが治って何よりである。
「軽傷だから早く治るわけじゃないからな? そもそも軽傷じゃなかったし」
「そうですよ!」
テリーさんとフローラさんが俺に突っかかってくる。
なんか俺が悪いことしたみたいな感じになってるんですけど……。
「まあ、治ったんだし、いいじゃないですか」
俺は、まあまあと二人をなだめた。
すると、渋々と言った感じで二人が引き下がる。
「冒険者を問い詰めるのは野暮だよな……。傷は全快したんだしいいか。姉貴を助けてくれてありがとうよ。その甘味には俺も世話になったしな……」
「ありがとうございます」
改めて二人から御礼を言われてしまう。
「それにしても、なんで一人で行動しているんですか? さすがに危ないですよ」
俺が言えた義理じゃないけど、どう考えても危険だ。
モンスター討伐をするのであれば、ソロでの活動は止めておいた方がいい。
「いや、今回は俺も一緒に行ったんだ。討伐依頼を受けるって言うからよ……。だけど、姉貴が張り切りすぎて、一人で先行して無茶やってこの様だ」
「……その通りです。私が一人で行動しているのを見かねて付いてきてくれたのに、結局一人で戦ってしまいました」
単独行動と思ったら、今回は二人で依頼をしていたとのこと。
確かテリーさんは固定で組んでいるパーティーがいたはず。
それなのにフローラさんに同行したのか。
――やっぱり心配だったんだろうな。
「二人じゃ少ないですよ。もう少しパーティーメンバーを増やすべきでは……」
実家住まいなら、収入を分けても余裕なはずだ。
俺と分けた報酬もあるし、無茶する必要はどこにもない。
安全のためにも、複数で行動した方がいい。
「それは難しいと思う。皆、遠慮するからな。そもそも姉貴が冒険者に向いてないんだよ」
「…………」
テリーさんの言葉を聞き、フローラさんが唇を引き結んで俯く。
「いい加減戻った方がいいんじゃないか? 姉貴だって、そうしたいんだろ?」
というテリーさんの言葉がきっかけとなり、フローラさんは無言で宿を出て行ってしまった。
「姉貴!」
思わずテリーさんが後を追おうとする。
が、その寸前で立ち止まった。
きっと追いかけても水掛け論になって、ケンカが再発する事を恐れたんだろう。
「また言い争いになるかもしれないので、俺が行ってきますよ」
「すまねえ」
俺はうなだれるテリーさんにひと言言って、フローラさんの後を追った。
こういった場面に遭遇するのも、もう何度目だろうか。
俺も慣れたものである。
きっとまた宿の近くにある砂浜にいるはずだ。
そう考え、道を進んで行くとフローラさんが立っているのが見えた。
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