379 エラさんが悔しがる理由がとんでもないものだった!?
その後、遅めの昼食をとり、ギルドへ。
依頼が終わったことをエラさんに伝えると、またか、という表情をされてしまう。
だが、終わってしまったものはしょうがない。
なぜかグギギと歯を軋ませ、悔しそうにするエラさんから報酬を受け取り、宿へ。
月の雫亭に着くころには夕方になっていたので、夜までのんびり過ごした。
…………
――今日はとうとう準備依頼がなくなってしまった。
エラさんからすれば、花火の素材探しに数日を要するという予想だったのだろう。
それを半日で仕上げてしまったものだから、次がなくなってしまったのだ。
祭りの前なのに暇になってしまうとは……。
しばらく空きができたので、海のモンスター討伐をやることにする。
ついでに漁港で直した船の調子でも聞いておくか。
灯台に顔を出した後、そのまま漁港に向かう。
すると、丁度船を直した漁師を見かけたので声をかけた。
「おはようございます。船の具合はどうですか?」
「おう、あんたか。昨日試験的に走らせた時は問題なかった。今日から本格的に漁に出る予定だ」
「これで問題ないといいんだけどな……」
「大丈夫ですって」
どこか不安そうにする二人に問題ないと声をかける。
「本当かよ……」
「それじゃあ、行ってくるぜ。無事戻ってきたら飯でも奢ってやるよ」
「行ってらっしゃい。お気をつけて」
漁船は快調な速度で発進していった。
どうやら他の漁船は既に出発したらしく、残っている船はない。
この感じだと皆問題なく漁に出られたみたいだな。
「じゃあ、俺たちも行こうか」
『はーい!』
というわけで、俺たちもボートに乗ってモンスター討伐に向かった。
適当なポイントに到着すると討伐を開始。
昼食は船上でとり、夕方近くまでモンスターを討伐しまくった。
帰りに漁港に寄って、朝に様子を見れなかった他の船も見ておくことにする。
漁港に着くと、丁度朝見送った二人組が帰って来るところに鉢合わせた。
「どうでしたか? 何か問題はありましたか」
「おう! 問題なかったぜ! むしろ絶好調だ!」
「ああ! 凄え乗り心地だった。自分の船じゃないみたいだ」
「だから大丈夫って言ったでしょ……」
「悪い悪い。これで信用したから……」
「だな。疑って悪かったよ」
ここにきてやっと疑いが晴れる。
ちゃんと修理できていると、信じてもらえたようだ。
「そういえば、魚は獲れたんですか?」
ついでに漁の結果も聞いてみる。
故障の原因となったのは、魚を求めて無理な遠出をしたことにある。
今回は二回目の故障を恐れて、そこまで遠くには行かなかったみたいだけど、どうなったのかな。
「いやあ、獲れたことは獲れたが、少ないな」
「だな。だけど他の奴らも同じような状況だし、仕方ないって感じではあるな」
二人はがっかりした表情で肩をすくめる。
「残念でしたね」
船が直っても魚の獲れる量に変わりなし。
中々苦しい展開だ。
「かといって、遠出するわけにもいかねえしなぁ」
「だよなぁ、また壊したら笑い話にもならねえぜ」
「気をつけて下さいね? もうしばらくしたら俺も祭りの手伝いが入るので、修理はできなくなりますんで」
修理できない事もないが、船が壊れるほどモンスターの襲撃を受ける場所まで行くのは命に関わる。
というわけで、けん制の意味もこめて、ちょっと大げさに言っておいた。
「まじかよ……。気をつけねえとな。それじゃあな」
「壊すつもりはないけど、慎重にいかねえとな。本当に助かったぜ! またな!」
二人を見送った後、他の修理した船の漁師たちにも聞いて回るも、皆問題ないとの回答を得た。
その時に船の状態も見たが、新たに壊れた様子は無い。
皆、もう一度壊れるのを恐れて遠出を控えたようだ。
できればこのまま無理をしないでほしいところである。
船の確認を終えた俺は漁港を後にし、素材買取所へ向かった。
「で、今日は森と海、どっちの持ち込みだい?」
「海で二百、ですね。いけますか?」
祭りの準備が始まると多目にいけると言っていたので、遠慮なしに言ってみる。
暇を見つけてはコツコツと討伐していた結果、結構溜まってしまったのだ。
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