377 乱闘の原因がとんでもないものだった!?
まさか俺から修理の話が出ると思っていなかったのか、漁師たちは驚きの表情で固まっていた。
「いけると思いますよ。でも、修理する人の仕事を取っちゃうかな……」
後から来た俺が修理を引き受ければ、横取りしたような形になってしまう。
それはそれで揉め事になるかもしれないな。
「それは大丈夫だ。業者は祭りの準備をしたいはずだ。それなのに船の修理まで舞い込んで、今は手一杯でどうしようもなくなってると思うぜ」
俺たちの話を聞いていたブライアンさんが説明してくれる。
それなら事情を説明すれば、俺が修理しても問題なさそうだ。
「じゃあ、その辺りを確認してから決めましょうか」
確認を取って、OKが出れば俺が修理しよう。
ダメだったら、修理を手伝うという形で現場に入り込んでしまうか。
…………
というわけで漁師達に案内されて現場へ赴き、修理を引き継ぐ話し合いを行った。
結果、全部やってくれていいという話になる。
向こうも祭りの準備で忙しいのに、こんな大量の漁船の修理を受けて持て余していたと逆に感謝されてしまった。
俺は整備工場にあった漁船を全て受け取り、アイテムボックスへしまうと、再度漁港へと戻った。
「さっきはつい喜んじまったけど、本当に大丈夫なのか?」
「大体、お前、何艘修理を受ける気なんだよ……」
漁港へ戻ると、漁師達が不安そうな顔で尋ねてくる。
「え、全部ですけど?」
そりゃあ全部直さないと、修理待ちの人は結局イライラしたままだ。
だから一気に全部直すつもりだ。
「それじゃあ、結局順番待ちになっちまうじゃねえか!」
「待ち時間が増えたら、修理をしてもらう意味がねえだろうが!」
漁師たちは俺一人が修理する分、更に時間がかかると勘違いして怒ってしまう。
まあ、普通に考えたらそう思ってしまうのも無理はないか。
「大丈夫ですから。任せて下さい」
俺は皆に落ち着くように言い、なだめる。
「ほんとかよ……」
「信じられねえぜ」
漁師たちは力で俺に叶わないことを分かっているせいか、余り強硬な手段には出てこなかった。
声を荒らげるのをやめ、こちらを静観することを決めたようだ。
まあ、修理が遅かったら結局切れそうだけど……。
「今会ったばかりだし、信じろと言う方が無理か。それじゃあ、貴方達の船を先に修理しますよ」
まずは喧嘩していた漁師たちの船から直すと話しておく。
最終的には複数同時にやるつもりだけど、初めは一艘からやっていくか。
ひとつ成功例があると、他の漁師の人達も受け入れ易いだろう。
「いいのか!?」
「やったぜ!」
「おいおい、そこは順番どおりにやってくれよ……」
すると他の漁師たちからブーイングが起きた。
そりゃあ、もともとの予約順と違うわけだから、気分を害するのは仕方ないか。
「そいつらのを今日修理するなら、俺たちのはいつになるんだよ?」
「今日中です」
と、簡潔に答える。
「はあ? どういう意味だ!?」
「まあ、落ち着いて下さい。場所を変えるので付いて来て下さい」
俺は皆に説明しながら、近くの広いスペースに移動した。
「やってみせるので、見ていて下さい。じゃあ、材料を出して……。よっと!」
アイテムボックスから預かった漁船を全て出す。
整備工場で船を固定する台座ごと持ってきたので、地面に出しても倒れることはない。
次に修理の材料になるモンスターの素材も出していく。
今回直す船は六艘、結構数が多いので素材は余るくらい多目に出しておいた。
「「「え?」」」
船を預かったことを知らなかった漁師達は、眼前に船が現れたことに驚いていた。
それじゃあ、試しに一艘やってみるか。
「貴方達の船はこれで間違いないですよね?」
一応確認を取っておく。
「そうだ……、って、一体何をするつもりなんだよ、おい」
右端に出した船に近づき、創造補助スキルでモンスターの素材を使った修復レシピを検索。
魔法陣を描き、錬金術を発動する。
発動の効果で出た白煙が消えると、新造船と見紛うほどピカピカに修理された漁船が姿を現した。
近づいて破損箇所を確認していく。
うん、問題ない。ちゃんと修理できているな。
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