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376 乱闘発生するも、まさかの事態に!?

 

 結果、大乱闘状態に発展し、滅茶苦茶になってしまう。


 これは止めに行った方がよさそうだな。



 そう思ったのは俺だけでなくブライアンさんも同じ気持ちだったようで、乱闘現場に駆け込んでいった。


「おい、やめろお前ら! 何やってるんだ!」


 ブライアンさんが声をかけるも、人数が多すぎてどうにもならない感じだ。


 そこへ俺とミミが入り込む。


「落ち着いてください」


『ダメなの!』


 二手に分かれた俺とミミで、がっちりブロックし、全員の動きを封じ込める。


「放せ!」


「あいつ、ぶっ飛ばしてやる!」


 乱闘の原因となった最初の二人は、気がおさまらない様子で大声を上げていた。


 俺とミミが押さえ込んでも、まだ抵抗してくる。


「止めましょう。怪我をしたら船が直っても海に出られませんよ」


『暴れたらダメなの』


 俺たちは不動の構えで皆を押さえ込む。


「うおおおおおお! ……ハァ、ハァ。お前、何だよ……、その力……」


「おらあああああ! ぁあああああ……。ハァハァ……、全然動かねえ……」


 男たちは俺とミミがびくともしないことに驚き、抵抗を諦めた。


 散々暴れて疲れたのか、その場にへたり込み、動かなくなる。


 俺たちは抵抗の意思がなくなったのを確信し、押さえ込むのを止めた。


「あんた達、凄え力だな。船を漕いでるのを見たときからヤバイと思っていたが……」


 皆が落ち着いたのを見て、ブライアンさんが話しかけてくる。


「ええ、荷運びとか得意なんです」


 と、答えておく。


 まあ、怪我人が出なくて良かった。


 でも、まだ皆イライラしてるみたいだし、ちょっと大福でも食って落ち着いてもらうか。


「甘い物でも食べましょう。皆さんもどうぞ」


『どうぞ』


 と、ミミと二人で癒やし効果スキルを注ぎこんだ大福を配り歩く。


 大福を受け取った漁師たちは、戸惑いの表情を見せつつも大福を頬張った。


「お、おう……、なんか悪いな……」


「すまねえ、漁に行けず、気が立っていたんだ」


「うめえなこれ……」


「ふぅ、落ち着くぜ」


 皆に大福が行き渡り、小休止。


 甘い物を食べ、まったりとした雰囲気になる。


「気はまぎれましたか?」


 俺は、初めに口論を始めていた人達に尋ねた。


「ああ。すまん、イライラしてたんだ……」


「俺も悪い。あの時、あんな事を言い出さなければ……」


「いや、お前が言わなくても、誰かが言っていたさ。魚が獲れなかったんだからな」


「……そうかもしれないな。しかし、祭りの間に船を直すのは絶望的だな……」


「だな……」


 冷静さを取り戻した漁師たちはそれぞれの非を認め、和解していた。


 それでも結局、船が直るのはまだ先という事実が重くのしかかり、場の雰囲気が暗くなる。


「修理に時間が掛かりそうなんですか?」


 話を聞き、船の事が気になった俺はつい尋ねてしまった。


「それもあるが、順番待ちなんだよ。俺たち以外にも船を壊した奴がいるからな……」


 なるほど、沢山の船が壊れたから、余計に時間がかかってしまうというわけか。


「良かったら、俺が直しましょうか?」


 と、漁師達に提案する。


 魔走車の整備を経験した今なら、充分対応できる。


 船の修理くらいなら錬金術を使えば楽勝なはずだ。


「は?」


「出来るのか!?」


 まさか俺から修理の話が出ると思っていなかったのか、漁師たちは驚きの表情で固まっていた。





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