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369 練習中にまさかの人物と遭遇!?

 

 うずうずとした表情で待ちきれないといった感じのミミにどうぞと言う。


 好きなだけ歌ってくれたまえ。



 が、歌い出さない。


『?』


 ミミが首をかしげ、俺の方を見てくる。


「どうしたの?」


『ハーモニカ、吹いて?』


「そっか、ごめんごめん。じゃあ、いくよ?」


 ミミに言われ、慌ててハーモニカを取り出す。


 ミミはハーモニカを聴きながら歌いたかったんだな。


『うん!』


 ミミが大きく頷くのを合図に、ハーモニカを吹き始める。


 すると、それに合わせてミミも歌い始めた。


 三曲ほど練習を行い、小休止する。


「ほんとに上手になったなぁ。聞き入ってしまうよ」


『えへへ……』


 俺が褒めると、ミミは顔を真っ赤にして俯いてしまった。


「あんまり一杯歌うと喉を痛めそうだし、あと二回にしておこうか」


『はーい!』


 元気よく返事をしてくれたミミと一緒に二曲合わせる。


 ミミの歌を聴いていると落ち着くなぁ。これも魔法の効果なのかな。


「じゃあ、練習おしまい。お疲れ様でした」


『お疲れ様なの!』


 というわけで、歌の練習を終える。


 残りの時間は料理でもするかなと考え、その場から離れようとした瞬間、声をかけられた。


「ねえ、そこの貴方。今、歌っていたのは誰?」


 と、一人の女性が手をわなわなさせながら近づいてきた。


 ショートヘアにちょっと釣り目がちな瞳。どこか勝ち気な雰囲気を漂わせる人だ。


 何か挙動不審だし、ちょっと怖いぞ。


「えっと、この子ですけど」


 俺はミミに視線を送りながら答える。


 ミミは一杯歌えて満足したのか、上機嫌で砂浜を駆け回っていた。


「すごいじゃん! 今のって浄化の魔法でしょ?」


「はい。最近覚えたんで、練習していたんです」


 俺はミミと視線を合わせながら「ねー」と一緒に頷く。


「最近!? そんな風には聞こえなかったけど……」


「ミミは器用なんで」


 なぜ短期間で見事に習得できたか。


 それはミミが凄いから。あとかわいい。


 これにつきる。


『えへへ……』


「私なんて、ちゃんと歌えるようになるまで、半年はかかったのに……」


「おお、貴方も浄化魔法が使えるんですね。ということは光属性の適性があるのか」


 浄化魔法が使える人と会うのはこれで二人目。


 もしかして、この人がフローラさんの言っていた街で光属性の魔法が使える人なのかな。


「そうよ。私の歌なら毎朝聞いてるでしょ?」


 と、女性が不思議そうな表情で言ってくる。


 毎朝聞いている……?


「ああ……! あれって浄化魔法だったんですか」


 なぜこの街は朝に歌を流すのだろうと、ちょっと気になっていた。


 けど、観光の売りの一つ程度に思っていた。まさか浄化魔法だったとは。


「浄化魔法ではないわ。でも同じ光属性の魔法よ。ああやって毎朝歌うことによって、モンスターを近づかせないようにしているの」


 ああ、モンスター避けというのは光属性の魔法のことだったのか。


 歌はスピーカーのようなもので増幅されていたから、歌が聞こえる範囲全体に魔法がかかる仕組みになっているということなのかな。


「結界代わりなんですね。でも毎日だと大変そうだ」


 歌わないと発動しない魔法のようだから、普通の魔法より負担がかかりそうである。


「そうそう! それよ! ねえ、私と一緒に歌わない? といっても、交互にね」


 俺の言葉を聞いた女性は腕組みしながら強く頷き、同意を示す。


 そして、ミミの前にしゃがみ込み、歌わないかと誘ってきた。


『歌うの?』


「というと?」


「前は二人でやってたんだけど、今は一人でやってるから、人手不足なのよ。助けてくれるとありがたいな」


 つまり、毎朝ミミと交互に魔法をかけないかというお誘いか。


「すみません、ミミが使えるのは魔力照明と浄化魔法だけなんです。モンスター避けの魔法は使えないんですよ」


 と、女性の勘違いを解く。


 どうも光属性の魔法なら、なんでも使えると誤解しているみたいだ。


「そうなの? なら私が教えるからさ。どうかな?」


 彼女はそれでも折れずに勧誘してきた。


 新しい魔法を教われるのはありがたいが、この街にそれほど長期滞在するつもりはないしなぁ。


「俺たち、冒険者なんですよ。祭りが終わったら、ここを離れるんです」


「それじゃあ、祭りまででもいいからさ。お願い!」


 まあ、滞在期間中なら問題ないか。


 この人も大変みたいだし、手伝ってあげるのも悪くない。


 後は、ミミがやりたいかどうかだな。





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