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366 報告するも、ボブさんがまさかの反応を!?

 

 そう思った俺は倉庫へ戻った。



 隣にある事務所に入り、仕事をしているボブさんに声をかける。


「あのー、ボブさん。ちょっとお聞きしたいことがあるんですけど」


「おう、まるもっちーか。何かあったか?」


 顔を上げたボブさんが不思議そうな顔で尋ねてきた。


「一応、設営まで終わったんですけど、組み立てない方が良かったですか? もし組み立てる前に必要なことがあるなら、一旦バラしますけど」


 と、ここへ来た理由を話す。


「ん? ちょっと待て、言っていることがよく分からん。もう少し詳しく話してくれ」


 説明を省きすぎて、言葉が足りなかったかな。


 もう少しかみ砕いて話すか。


「資材の運搬を終えて、会場全体の設営まで仕上げました。もし、組み立てる前に何かすることがあるなら、一旦分解しますけど、どうしますか」


「んん? まるで全部済んだと言っているように聞こえるんだが」


「はい、一応」


 ボブさんに確認され、頷く。


 依頼されたことは終わった。やり残したことはないはず。


「そんなわけあるか! あれから二時間も経ってないじゃねえか! 俺をからかってるのか!?」


 が、俺の発言を冗談だと思ったボブさんが怒り出す。


 仕事中にからかわれたと感じてしまったのかもしれない。


「お、落ち着いて下さい。とにかく確認をお願いします」


「分かったよ! 行ってやらあ! これでちょっと資材を運び終えただけで、大げさに言っているんだったら、ただじゃおかねえぞ!」


 怒るボブさんをなだめながら、会場へ向かう。


 そして、現場に突いた途端、ボブさんが固まって動かなくなった。


「で、出来てるじゃねえか……」


 まるで信じられないものでも見たかのような表情で呆然と呟くボブさん。


「それでどうでしょう? バラすのもそれほど時間はかからないですけど」


「大丈夫だ。問題ねえ。というか、これ全部をバラす気でいたのか?」


「はい」


「何をわけの分からないことを……。いや、一瞬で組み立てたんだから、バラすのもすぐなのか……? くそ、意味が分からん」


 俺の返答を聞き、ボブさんがブツブツ呟き続ける。


「じゃあ、次は何をしましょうか?」


 一応依頼の範囲は終了したが、祭りの準備という観点で見れば、まだまだ出来ることがありそうだ。


 まだお昼前だし、手伝えることがあるならやっちゃうけど。


「予定なら次は出店のエリアだ。整地して、場所を区切って、資材を運んで、出店の設営だ」


「分かりました」


 なるほど、次は出店のエリアか。


 それなら今やった作業と大して変わらないし、難なくできそうである。


「整地するのは、あのローラーを使ってくれ」


 ボブさんが指差した先には、学校のグラウンドとかで見かけた巨大な整地ローラーが置かれていた。


「平らにするんですね」


「そうだ。ここは年に何回か祭りで使う以外は更地にしてある。ステージの方は地面を舗装してあるから問題ないが、出店を展開する区画はただの地面だ。だから、使う時に一度凹凸を減らしておく必要がある」


「了解です。ローラーを使うとなると、ちょっと時間が掛かりそうですね」


「そ、そうか……。お前の時間が掛かるというのが、どの程度を差しているのか分からんが、頼んだ」


「はい。終わったら報告に行きますね」


「おう……。さっきは疑って悪かったな、任せたぞ」


 俺の返事を聞き、ボブさんが微妙な表情になる。


 ボブさんは声を荒らげたことを謝ると、そのまま倉庫の方へ帰って行った。


「終わったら、ということは今日中に終わるのか……」


 背を向けたボブさんから、そんな呟きが聞こえてくる。


 一応そのつもりではいるけど、どうなるだろう。


 …………


 ボブさんを見送った後、俺たちは整地ローラーの側に移動した。




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