362 作り置き中にとんでもないアイデアが浮かぶ!?
それから祭りの準備が始まるまでは、海のモンスター討伐と料理の作りおきに精を出した。
ステーキ、コロッケ、カレー、カツレツ、ハンバーグと定番のものを増やした後は、ここで手に入った魚介類を使った料理にもチャレンジ。
エビフライ、魚貝のパスタやスープ、白身魚のソテーやハーブ蒸しなんかを調理した。
「そうだ、いい機会だし、あれも使うか」
と、取り出したるは生クリーム。
以前、大人買いをしたはいいものの、慌ただしい毎日が続いてじっくりと料理する暇がなかったために、アイテムボックスの肥やしになっていた一品だ。
今日はこいつを使って、あれを作ってみよう。
『マスター、何を作るの?』
広げた材料を見て、テーブルから顔を半分覗かせたミミが興味津々に尋ねてくる。
「ちょっとクレープを作ってみようかと思って」
『くれーぷ? 美味しいものですか?』
「上手くできれば美味しいよ。初めて作るから、どうなるか分からないけどね」
最終的にはちゃんと作れるようになるつもりだが、初っ端から上手くいくとは限らない。
特にデザート系はリカバリーが効きにくそうなんだよな。
『マスターなら、絶対上手くできるの!』
「お、おう。頑張って作るね」
これはミミの期待に応えねば。頑張るぞ!
用意したのは、牛乳、薄力粉、卵、バター、そして砂糖と塩だ。
まずはフライパンを温め、バターを投入。液状になるまで溶かした後、容器に移して冷ます。
次にボウルに卵を入れて溶く。
そこへ砂糖、塩、牛乳を入れて混ぜる。
更に薄力粉をザルで振るって入れて、また混ぜる。
しっかりと混ざったら、最後に溶かしバターを投入。
全てが混ざった液体をザルでこし、ダマになった薄力粉を取り除く。
「ここからなんだよなぁ……」
フライパンを温め、油を敷く。そして、濡れ布巾で余分な油を拭き取る。
「いってみるか……」
俺はお玉に生地をすくうと、フライパンに注いだ。
ちょっと少ない気がしたので、二杯投入。
「いかん、多すぎたか!?」
お玉二杯だと、薄く広げるというより、タプタプに満たされてしまった。
俺は慌てて、フライパンをコンロから引き上げ、ボウルに液を戻す。
すると、丁度いいくらいの分量になった。
まあ、円形からは程遠い形になってしまったが……。
フライパンをコンロに戻すと、生地の縁が茶色くなってくる。
どうやら焼けてきたようだ。
俺は菜箸で生地の端を持ち上げると、手で摘まんではがし、引っくり返した。
裏面が表になると、いい塩梅で焼き目が付いていた。
そのまましばらく焼いて取り出し、大皿へ移す。
「なんとか一枚焼けた……」
まだまだコツが掴めない。
もっと回数をこなしていくか。
俺は生地をお玉ですくうと、再度フライパンに投入。
フライパンを火から遠ざけた状態で回し、生地をまんべんなく伸ばす。
いい感じになったところで、コンロへ戻し、焼いていく。
今回はうまく焼けた。
しかし、次に焼いたものは生地の量が少なすぎて、不恰好に。
中々狙った通りに焼き上がらず、気がつけば五枚ほど焼いていた。
『ミミもやってみたいの!』
ここで、ミミがクレープを焼くことに興味を示す。
生地ならまだあるし、問題ない。
「いいよ、じゃあ、やってみて」
俺の横でずっと見ていたし、改めて説明する必要もないか。
ミミと位置を入れ替わり、生地焼きを交代する。
『こうやって……。よいしょ、よいしょ』
ミミはお玉で生地をすくうと、火から遠ざけたフライパンに投入。
フライパンを回して生地を広げた後、火に近づけて焼いていく。
『……そろそろなの。引っくり返しますよ〜』
ミミは菜箸で器用に生地の端を持ち上げ、手でつまんで一気に引っくり返す。
一回目なのに上手いものだ。
『できたの!』
と、焼きあがった生地を皿に移す。うん、完璧だな。
「うまく焼けたね。もっとやってみる?」
『うん!』
「クレープを作るつもりだったのに、焼いた生地が多すぎる……」
結果、焼き上がった生地は十枚を越えていた。
一度に食べる量として、クレープ十個はさすがに多いよな。
使わない分はアイテムボックスに保管しておくか。
「あ、ミルクレープにしてしまうか」
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