359 飲酒の結果、衝撃の事態に!?
森に着くと早速家を出す。
二人を家に入れたら、超特急で街へ行き、テリーさんに明日帰ると伝え、即帰宅。
怪しむ二人を誤魔化しつつ、キッチンへ向かった。
フローラさんが手伝ってくれるといったが、今日はゲスト扱いにして、くつろいでもらうことにする。
フローラさんと出会った当初はパーティー入りを断り続けていた。
だけど、一緒にパーティーを組んだ後は、色々なところで助けられた。
今日は、そんな今までの感謝の気持ちを込め、ちょっとしたご馳走っぽい感じにしてみるか。
メインはアックスブルのステーキにしようかな。
メニューを決め、早速準備に入る。
「これ、お酒ですか?」
キッチンで料理の準備をしていると、暇を持て余したフローラさんが寄って来る。
そして、棚に置いてあった瓶を見て聞いてきた。
「あ、はい。料理に使おうと思って買ったんですけど、意外に使うことがなくて、そのままになっていたやつですね」
香り付けなんかに利用するつもりで購入したが、今のところ使っていない。
使うとしても少量で済むので、持て余しそうである。
「なら、私が貰ってもいいですか?」
「いいですよ。フローラさんってお酒を飲むんですか?」
「滅多に飲まないけど、今日はね……」
「そうですね。じゃあ、俺も飲みます」
「うん!」
というわけで、飲酒しながらの料理となった。
つまみに、小さく切ったチーズ、ナッツ、スライストマトを出す。
チビチビとやりながら料理するのもたまにはいいな。
『二人で何を飲んでるの?』
俺たちが飲んでいると、ミミがお酒を気にしだした。
うーん、ミミに飲ませてよいものか……。
悩んだ末、渋かったり苦かったりするよ、と話したら興味を示さなくなった。
実際、そんな味だから飲んでも気にいらないだろうとは思う。
そんなミミにはジュースを進呈。
美味しいと言って飲んでくれたので、これでよし。
…………
お酒を呑みながら作っていたため、料理の完成は大幅に遅れた。
だけど、出来上がったものは今までの技術をつぎ込んだ、集大成といえる仕上がり。
盛り沢山な料理にフローラさんも喜んでくれ、夕食は大いに盛り上がった。
食後は、まったりとしたムードでお酒を楽しんだ。
調理の段階から飲んでいたため、酒瓶は四本目に突入。
ちょっと呑みすぎかもしれないな……。
フローラさんは俺たちの隣でナッツをつまみにグラスを傾けた。
「私だってさ……、手伝いとかやりたいよ……、でもさ……」
『ユラユラしてるの』
ジュースを両手に持ったミミがフローラさんの挙動を見て真似る。
フローラさんは酔いが回ってきたのか、振子のように絶え間なく揺れていた。
「大丈夫ですか? ちょっと呑みすぎでは……」
「全然酔ってないから! それより、聞いてよ。私が行ったら、みんなが気を使うんだよね。折角のお祭りなのに、空気を悪くしたくないじゃない?」
と、まくしたてるフローラさん。
酔ったせいか、いつになく早口だ。
というか、まったく言葉が詰まっていない。
「フローラさんが気にしているほど、周りの人は気にしていないかもしれないですよ?」
なぜフローラさんが行けば空気が悪くなるのだろうか。
この数日、ずっと一緒に行動していたが、俺は嫌な気分になったことなど一度もない。
さすがにフローラさんの考えすぎではないだろうか。
「そんなことない! 絶対気にするもん!」
「話してみれば案外うまくいくかもしれませんよ?」
「私が行けば後輩にも嫌な思いをさせるかもしれないし……」
「後輩?」
「えっとねぇ、とってもかわいい後輩なんだよ。凄く努力家でね、いい子なんだぁ」
「へぇ、そうなんですね」
話の全容が見えないから、当たり障りのない相づちしか打てない。
後輩って何の後輩なんだろう。
「……私だってさ、なんとかしたいんだよ……」
フローラさんはそう呟くと、机にうつぶせになって目を閉じてしまった。
数秒と経たず、伏せられた隙間から寝息のような音が漏れてくる。
「フローラさん、寝るなら部屋で寝ましょう。風邪を引きますよ」
「ううん……」
フローラさんの肩を揺するも反応が薄く、起き上がる気配がない。
このままだと熟睡してしまいそうだな。
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