355 久々に街へ行くも、とんでもない事態に!?
その夜、食事を済ませて自室に帰った俺は、手に入れた素材をテーブルに並べた。
よし、これで準備は整った。
創造補助スキルでレシピを検索。錬金術を発動してみる。
「これで、うまくいくか……」
白煙が消えると、完成した魔道具が姿を現した。
「おお、出来た。これが探知機」
見た目は少し大きい懐中時計。
側面に着いたボタンを押すことによって画面が切り替わり、探知機に変化する。
早速ボタンを押してみるも反応はなし。
壊れているわけではなく、側に魔殿濁がいないためだ。
「壊さないように気をつけないとな」
俺は探知機をアイテムボックスにしまう。
苦労して手に入れた素材が使われているし、取り扱いには充分注意したい。
それにしても、無事完成してよかった。
…………
翌朝、無人島を出て街へ向かう。
砂浜まで上がると、フローラさんに今日の予定を告げた。
「フローラさん、俺たちはギルドへ行ってきます。報告には時間がかかると思うので、別行動にしましょう」
「それなら私は、先に家へ、帰っていますね」
「分かりました。それじゃあ、後で」
俺はフローラさんと別れ、ギルドへと向かった。
受付で事情を話すと、ギルドマスターの部屋へと通される。
「よう、久しぶりじゃねえか。顔を出したって事は何か進展があったのか?」
ソファへ腰掛けた途端、ギルドマスターが勢いよく話しかけてきた。
「はい。とりあえず森のモンスターの数を減らしました。海の方もそれなりに減ったと思います」
ギルドマスターが一番気になっているであろう依頼の進捗状況を話す。
海のモンスターは倒しても自然と新しい個体が流れてくるため、切りのいいところが分からないんだよな。
「仕事が早いな。助かるぜ。祭りの準備と並行でやるのかと思ったら、その前に終わりそうだな」
「海でのモンスター討伐は、もう少しやった方がいいかもしれないですけどね」
陸で戦うのとは勝手が違うため、手間の割に数が減っていないんだよな。
一網打尽にできればいいんだけど、そんな方法は思いつきそうにない。
「成果としては十分だ。話は通してあるから、受付で報酬を貰ってくれ」
「ありがとうございます。後、不審船のことも分かりました」
「おお! そいつはでかした!」
俺の報告を聞き、ギルドマスターが身を乗り出す。
ここまで興味を示すという事は、余り手がかりがつかめていなかったのかな。
「不審船はヤドカリの様なモンスターが擬態した姿でした。宿の部分を貝ではなく、廃船を使っていたんです」
「そうなのか? しかし、目撃情報では、かなり大きな船だったと聞くが」
「そうですね。かなり大きかったです」
モンスターのサイズを思い出し、頷く。
俺が戦ったことがある他の海のモンスターと比較すると、滅茶苦茶巨大だった。
「それはまずいじゃねえか! 討伐隊を編成しねえと……」
「あ、倒したんで大丈夫ですよ」
慌てるギルドマスターに処理しておいたことを告げる。
すると立ち上がったギルドマスターがほっと脱力し、椅子に座り直した。
「そ、そうか……。助かる」
「あと、不審船はもう一隻いまして……」
「は!? そんなモンスターがもう一匹いたっていうのか?」
「いえ、そっちはモンスターではなくてですね……」
勘違いして驚くギルドマスターに事情を説明する。
魔力が溜まった地点で亡くなった人達が幽霊のようになっていたこと。
それを魔法で送ったこと。
ギルドマスターなら話さなくても勘付いているかもしれないが、一応フローラさんと浄化魔法のことは伏せておいた。
フローラさんは自分の魔法のことを話したくない様子だったので、なるべく口外しない方がいいと考えたのだ。
「なるほど。確かにそんな話は聞いたことがある。実際に遭遇した話を聞くのは初めてだがな……」
「ちなみに、これがその時助けた方から譲り受けた剣です」
そう言ってドミニクさんの愛剣を見せる。
「ん? これは……」
ギルドマスターは剣を手に取り、険しい表情でじっと見つめ始めた。
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