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351 とどめの一撃を喰らい撃沈!?

 

「まるもっちーさんに剣を扱うのは無理ですね」



「そんなはっきり!?」


 俺はドミニクさんの言葉に衝撃を受けて、崩れ落ちた。


 こうもハッキリ言われてしまうとは……。


「型を教えますので、それを毎日練習すれば、それなりにはなると思います」


「おお、希望が見えてきた」


「ですが、余り意味がないかもしれないですね」


「どうしてですか!?」


 またもやバッサリ言われてしまう。


 俺はそんなに剣術に向いていないのか。


「あのモンスターを倒せるんですよ? ちょっと剣術がうまくなっても、プラスに働くことはないです。それなら別のことに時間を使った方が強くなれます」


「そんなぁ……」


 ドミニクさんの説明を受け、微妙に納得してしまう。


 いくら剣術がうまくなっても、最大出力の無属性魔法と比較すれば程度が知れる。


 今出来る攻撃方法で代替できてしまうのだ。


 攻撃のバリエーションを増やそうと思って取り組んでいたことだったが、結果的には余り意味が無いと言われてしまった。


「まるもっちーさんの力を利用するなら、もっと大きな大剣。いや、大斧やハンマーの方が向いているかもしれないですね」


「なるほど」


 俺の力なら巨大な武器も自由自在に扱えるのは確かだ。


「それでも……、まあ……」


「なんで言いよどむんですか!」


 五十歩百歩とでも言いたげな表情で、ドミニクさんが視線を逸らす。


「そもそも武器の扱いが余りうまくなりそうにないんですよね……」


「確かに、ミミより不器用だし、包丁もなんとか扱える程度ですけど……」


 言われれば思い当たる節もある。


 元々俺は器用な方ではない。


 ぶっちゃけ、剣術の達人のように剣を自在に操っているイメージが湧かない。


 やっぱり俺では無理なのか。


「いえ、不器用ではないですよ? まあ、才能があるとまではいかないですが……。ごく普通の実力は持っていると思います。そんなに落ち込まないで下さい」


「く……」


 フォローされたのに、あんまり嬉しくないぞ!


「もう一つ付け加えると……」


「まだ他に何かあるんですか!?」


 落ち込まないでくださいと言ったのに、更に追い打ちが来そうな気配だ。


「いえ、どちらかというと、今から指摘する事の方が主な原因です。まるもっちーさん、剣を振るときに全力を出していませんよね?」


「あ、はい」


「あえて聞きますが、それはなぜですか?」


「いやあ、余り力を入れると剣が壊れそうで……」


 しっかりと握れば柄が壊れるし、全力で振れば刃が壊れる気がして、思い切り振っていなかった。


「ですよね。私もそう思いました。まるもっちーさんは力が強すぎます」


「つまり、無意識に力をセーブしてしまうというのが、もうひとつの上達阻害要素ということですか?」


「いえ、単純にまるもっちーさんの力に耐えられる武器が存在しないのでは、ということです」


「そっちですか……」


 そこまで考えていなかったが、言われてみればそうかもしれない。


「武器屋で売っている数打ち物だと、全力で振るったら壊れるんじゃないですか?」


「多分……」


 大剣やハンマーを使ったとしても、壊れるだろう。


「名工が作った逸品なら力を使わずに切れたりするかもしれません。ですが脱力して戦うわけではありませんからね」


「ですよね」


 業物だから力を入れずに使えるというものでもない。


 大体、名工が鍛えた逸品を、剣を扱うのに向いていないと言われた俺が、使うに値するとも思えない。


 それに俺が相手にするモンスターの中には魔殿濁が含まれる。


 通常の武器では歯が立たない可能性もあるよな。


「まるもっちーさん……。武器での戦闘が、そもそも向いていないんじゃいないですか?」


 と、ドミニクさんに核心を突かれてしまう。


 ドミニクさんは謙遜していたが、彼は剣の扱いが非常にうまい。


 かなりの高齢だが、現役時代は相当な猛者だったのではないだろうか。


 それに加え、人に教える能力も高いと感じた。


 今まで沢山の人を指導してきたかのような雰囲気さえある。


 そんな人の言葉だから、すんなりと納得できた。


「そんな気がしてきました。一段落ついたし、ミミとフローラさんのところの様子でも見に来ますか……」


 こうなったら素手で戦うしかないか?


 遠距離の攻撃手段は無属性魔法と投石に磨きをかけていけばなんとかなる。


 課題は接近戦と、不利な地形や条件での戦闘だな。


 これからの旅の中で、何かヒントが見つかればいいけど……。


 俺たちは稽古を中断し、ミミたちの下へ向かった。




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