344 不審船を調査するも、とんでもない事態に!?
二人がいなくなったのを確認した俺は、アイテムボックスからブラックドラゴンの死骸を取り出し、海上へ向けて放り投げた。
それと同時に創造補助スキルを発動。レシピを検索する。
「錬金術発動!」
掛け声と共に、検索した魔法陣に魔力を通し、指を鳴らす。
すると、中空に超巨大な豪華客船が姿を現し、ドーンと派手な音を立てながら着水した。
イメージの参考にしたのはヴィヴィアンさんが設計した結界装甲陸船。
完成品を見てみると、中々の再限度となっていた。
「まるもっちーさん、皆を集めました! って、何だあれは!?」
乗客と共に姿を現したドミニクさんが、豪華客船を見つけて目をむく。
「大丈夫です。船内に人は居ません! って、またおかしなものが……」
最後に現れたフローラさんが、どこか達観した表情で豪華客船を見つめる。
「それじゃあ、一列に並んでください。ちょっと怪我するかもしれないけど、勘弁してくださいね」
俺はそう言いながら、乗客の一人を抱え上げ、豪華客船へ向けて投げ込んだ。
「えええええ!?」
「な、何を!?」
すっ飛んでいく乗客を見て、他の乗客が騒ぎ出す。
だが、いちいち構っていては時間の無駄だ。
「それ、それ、それ!」
俺は問答無用で乗客全員を豪華客船へ放り投げ続けた。
「よし、一丁上がりっと」
元から船に居た乗客を全て投げ終え、パンパンと手を打ち、一息。
うん、中々の手際だ。
「なんて乱暴な……」
俺の蛮行にドミニクさんが言葉を失う。
「次はドミニクさんですよっと」
俺は呆然とするドミニクさんを抱え上げ、豪華客船へ放り投げた。
「うわあああ!」
「あ、フローラさんにも行ってもらわないと」
ドミニクさんを投げ終え、フローラさんが居たことを思い出す。
「ええ!?」
「それっ」
驚いて固まるフローラさんをひょいと持ち上げ、放り投げる。
「きゃー!」
フローラさんは身を縮めた姿勢で豪華客船の甲板へと吸い込まれた。
向こうへ辿り着いた瞬間、先に乗り込んでいた乗客たちが介抱しているのが見える。
「よし、避難完了。船は自動操縦モードでここから離れさせる」
最後に俺が船へ飛び乗り、操舵室へ駆け込む。
自動操縦モードを起動させると、すぐさまボロ船へ飛び戻った。
これで、この場から一旦離れてもらおう。
『マスター、拘束が解けそうなの!』
皆の避難が終わる頃、ミミが慌てた様子で叫んだ。
見れば、不審船が強引にこちらへ突き進んで来ている。
そのせいで海草が千切れているが、船にもダメージを負っていた。
無茶なことをするな……。
「その前に、あの船に飛び移るよ。ミミ、おいで」
『うん!』
「よーし、行くぞー!」
『わーい!』
ミミを頭に乗せた俺は不審船へ向けてジャンプ。
あの船が本当にモンスターかどうか、確かめる必要がある。
人が乗っていないなら、思う存分破壊させてもらうとしよう。
…………
「こっちの船も誰もいないのか?」
不審船に飛び乗った俺は周囲を確認する。
見落としがないように集中して見て回るが、人の気配はない。
ドミニクさんたちがいた船へ向けて進んでいたので、誰かが操縦しているかと思ったのだが……。
『誰かいませんか?』
というミミの問いかけにも、返事は返ってこない。
やはり無人なのか?
船内を調べてみるかと足を踏み出した瞬間、船体が大きく揺れる。
「うお、地震?」
『揺れるの!』
慌ててミミを支えつつ、周囲の状況を確認する。
皆が乗った豪華客船の方は大丈夫だろうか。
視線を向けると、豪華客船は揺れることなく順調に距離を離していた。
飛び移る前の船を見ても揺れていない。
どうやら揺れているのは俺たちが乗っている船だけのようだ。
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