339 実力を問われ、まさかの事態に!?
眠い目を擦りながら扉の方を見ると、フローラさんが部屋に駆け込んできた。
「まるもっちーさん!」
「どうしました?」
「また、ドミニクさんがいなくなっています!」
「ええ!? 手分けして探しましょう!」
『分かったの!』
「はい!」
頷き合った俺たちは、急いで家の外に出る。
散開し、それぞれドミニクさんを捜す。
砂浜の方へ走って行くと、イカダのようなものを出そうとしているドミニクさんの姿が見えた。
多分、剣を使って自作したのだ。
「あ、いた!」
俺はドミニクさんの側へ駆け寄り、イカダを手で押さえつけて止めた。
「ドミニクさん! どこへ行くつもりなんですか!」
「それは……!」
何か言いたげな表情で言いよどむドミニクさん。
「俺たちも一緒に行くんで、落ち着いて下さい。一旦家に帰って話し合いましょう」
「……はい」
俺の言葉を聞き、ドミニクさんが力なく頷いた。
「見つかったんですね!」
『良かったの』
岸から上がっていると、フローラさんとミミが合流してくる。
「皆さん……。ご心配をお掛けして、すみません」
「それで、どこに向かおうとしていたんですか?」
家への帰り道、ドミニクさんに尋ねる。
もしかして、何か手がかりを思い出したのだろうか。
「まずは冒険者に知らせようと……」
「それなら大丈夫です。俺が行くので」
冒険者に知らせてモンスター退治してもらうのであれば、俺が引き受ける。
わざわざ誰かに知らせに行く必要はないと、ドミニクさんに伝えた。
「失礼ですが、貴方では……。そもそも一人でどうこうできることではないんです」
ドミニクさんは俺の全身をジロジロと見ながら言葉を詰まらせる。
まあ、モチモチした柔らかボディだから、強くは見えないよな。
「まるもっちーさんは、滅茶苦茶強いですよ?」
「そうなのですか?」
フローラさんの言葉を聞き、ドミニクさんは疑いの視線を俺に向けてくる。
「かなり」
問われた俺は首肯した。
謙遜すると不安にさせてしまうし、しょうがない。
ここはちゃんと強いと言った方がいいよね。
「……確かに。柔らかそうな体をしていたから、あなどっていました。貴方、異常に強いですね。これならもしかして……」
ドミニクさんは俺をじっと見つめ、驚いたように目を見開いた。
「分かるんですか?」
俺の実力を感じ取れるとは驚きだ。
餅ボディのお陰で、今まで数人にしか気づかれなかったのに。
「こう見えて、剣の腕には自信があります。ですので、人の強さを測ることも、ある程度はできるんです。と、いうことを今思い出しました」
ドミニクさんは腰に差した剣を握りながら答えた。
「もしかしたら、ドミニクさん自身も冒険者なのかもしれないですね」
自分で倒しきれず、誰かに危険を知らせようとしていた……、といった感じかな。
「そう言われると、そんな気がします……」
「まあ、モンスター討伐は俺が引き受けますので、冒険者を捜す必要はないですよ」
「お願いします! モンスターを倒してください!」
ドミニクさんが必死の表情で俺にしがみついてくる。
「そのモンスターがどこにいるか分かりますか?」
倒したいのは山々だが、どこにいるのかが分からない。
昨日も探して回ったが、手がかりはなかった。
これ以上、海上を闇雲に探しても見つからないと思うんだよな。
「多分……、分かります!」
ドミニクさんの返答には、少し自信が無さそうな雰囲気があった。
見知らぬ無人島まで流されたわけだし、記憶が戻っても詳細な位置を思い出すのは難しいよな。
「それなら俺が船を漕ぐんで、方角を教えてください」
もし場所を間違えていたとしても、ドミニクさんの気が済むまで捜索すれば、少しは落ち着くだろう。
「はい!」
ドミニクさんが嬉しそうに頷く。
そのモンスターのことが、よっぽど気がかりなんだろう。
「私も、付いていきます」
俺たちの会話を聞き、フローラさんが同行を申し出てきた。
「いや、危ないですよ」
「ドミニクさんを守る人が必要です。私も行きます」
フローラさんは引くつもりがないらしい。
じっくりと話し合えば、思いとどまってくれるかもしれない。
だけどそんなことをしていると、今度はドミニクさんが焦り出すに違いない。
最悪、また俺たちの目を盗んで海に出ることも考えられるよな。
ここは承諾するしかないか。
「分かりました。とにかく準備をしましょう」
俺たちは家に戻って潜水服に着替え、出発準備を完了させる。
本作品を読んでいただき、ありがとうございます!
面白い、続きが読みたいと思っていただけたなら、
広告の下のブックマークの登録、
ポイント投入欄を☆☆☆☆から★★★★★にしていただけると、作者の励みになります!
よろしくお願いします!




