337 発見し、とんでもない事態に!?
俺は急いでドミニクさんの下へ駆けつけた。
「ドミニクさん、捜しましたよ」
俺はドミニクさんに声をかけながら肩をつかんで止める。
ドミニクさんは俺を振りほどいて海に入ろうと必死だった。
「まるもっちーさん……、私は行かないと!」
「どうしたんですか?」
明らかに様子がおかしい。
慌てているというか、必死というか。
表情には余裕がなく、切羽詰っている感じが窺えた。
「少しですが思い出したんです!」
「落ち着いて下さい。何を思い出したんですか」
「私は危険を知らせに行くところだったんです」
俺の呼びかけを聞き、ドミニクさんがやっと立ち止まる。
「どんな危険なんですか?」
思い出したことが危険を知らせに行くことなら、焦るのも頷ける。
だが、一体誰にどんなことを伝えるつもりなのだろうか。
詳細を思い出しているなら送って行くこともできるが、本当にそこまで思い出しているのか疑問だった。
「それはまだ……。ですが、危ないことは確かなんです! だから、漁をしている強い冒険者にそのことを知らせたかった」
やはりドミニクさんは詳しいことまでは思い出せていなかった。
当時の感情を思い出し、居ても立ってもいられなくなったといった感じなのだろう。
「冒険者……、ということはモンスターでしょうか」
強い冒険者、という言葉が関係するのはモンスターのような気がした。
「ッ! きっとそうです!」
俺の予想を聞き、ドミニクさんがハッとする。
「でもそれなら、街のギルドに行った方が確実なのに……」
街に行かずに、冒険者を捜すのは至難の業だ。
偶然めぐり合えても、その人が適任とは限らない。
「それは……、私が追われていたから……。街に行けば、モンスターを連れて行ってしまうから……」
ドミニクさんが頭を押さえてうずくまる。
無理に思い出そうとして、苦しそうだ。
普通の人なら癒やし効果を入れた餅でなんとかなるが、ドミニクさんにはそれができない。
俺は何も出来ず、ドミニクさんの背を擦りながら症状が治まるのを黙って見ているしかなかった。
「大丈夫ですか?」
「……はい。それより早く誰かに知らせないと」
「それなら俺に任せて下さい。どこに向かえばいいか分かりますか?」
強いモンスターの相手なら、俺でもなんとかなりそうだ。
ここはひと肌脱がせてもらうとしますか。
「まるもっちーさんが知らせてくれるのですね……。ありがとうございます……」
「いや、そうじゃなくてですね」
と、モンスターの相手をする事を話そうと思ったが、止める。
とにかく今はドミニクさんを休ませた方がいい。
「どこか……、どこだ……。うう、分からない……」
必死に記憶を手繰りよせようとするドミニクさん。
額には大量の汗が浮かんでいるも、中々うまくいっていない。
「大変なことだという事は分かりましたが、無理をしすぎるのは良くないですよ」
「肝心なことが……。大切なことなのに……!」
ドミニクさんは悔しそうに海面を叩いた。
「少し休みましょう。その間に俺が周囲を調べてきます」
これ以上ドミニクさんに無理をさせるのはよくない。
ここは周囲の安全を確認して、安心させるのがいいだろう。
その際に、モンスターと出くわせば倒してしまえばいい。
ドミニクさんが流れ着いたのはこの島だ。
危険を感じた相手も、この辺りにいるかもしれない。
幸い、日が暮れるまでまだ時間がある。
俺が船を漕げば、何とかなる。
ここから街の側まで偵察してみるか。
「ここに来てから、もう四日も経ってしまっている……。早く思い出さないと……!」
頭を押さえたドミニクさんが苦しそうに呟く。
これは相当無理をしているな。
「その調子では無理ですよ。一旦休みましょう。俺が街の側まで見てきますから」
「早く、早く思い出さないと……!」
俺の言葉を聞いても、ドミニクさんはうわ言のようにブツブツと呟いていた。
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