327 魚が釣れなくなり、衝撃の展開に!?
フローラさんに釣った魚を針から取り外してもらっていると、ミミの竿がピクンとしなった。
『ミミも来たよ!』
「ミミ! 落ち着いて!」
興奮気味に報告してきたミミに声をかける。
ミミは俺の言葉に頷きつつも、真剣に釣り竿を操る。
その顔は満面の笑顔だった。
どうやら釣竿の反応が新鮮で、面白いみたいだ。
『うん! そーっとそーっと……』
ミミは自身の力加減を口に出しながら、ゆっくりと竿を操る。
「いい感じですよ。そこまでくれば、引き上げても大丈夫です」
フローラさんの言葉を聞き、ミミが釣り竿を大きく動かす。
すると、針にかかった魚が姿を現した。
『とれたの!』
獲れた魚を見てミミは大喜び。
「やったな!」
『イエーイ!』
俺たちはお互いに魚が釣れたことを喜び、ハイタッチした。
…………
その後、お昼まで釣りを楽しんだ。
釣果は上々。初めてにしては、うまく行ったと思う。
お昼は早速釣った魚を食べることにした。
フローラさんの指導の下、魚の捌き方を教わる。
素早い手さばきに感心した俺は「見事なものですね」と褒めるも、フローラさんは釣りのとき同様「街の人間なら誰でもできますよ」と返してきた。
でも、凄いことには変わりないんだよなぁ。
俺とミミは、自分が釣った魚をそれぞれ捌いて練習。
何匹かやっていくうちに、それなりに処理できるようになった。
さすがにフローラさんのようには上手くできなかったが、初めてにしては上々だろう。
捌いた魚は海辺で焚き火をして塩焼きに。
フローラさんが調達してきた貝でスープを作り、海を見ながらの昼食となった。
錬金術で椅子とテーブル、ビーチパラソルを作り、準備は万端。
青空の下、波の音に耳を傾けながら、食べる焼き魚は格別だった。
自分で釣った魚を食べたせいか、普段より美味しく感じられたんだよな。
魚料理を堪能した後は第二ラウンドに突入。
しかし、昼からは思うような結果が出なかった。
釣り糸を垂れても、無反応。
いくら待てども、魚がかからないのだ。
「……朝とは打って変わって、手応えがないですね」
『釣れないね』
「う〜ん、場所を変えた方が、いいかもしれませんね。私もここで釣るのは、初めてなので……」
フローラさんが考え込むように答える。
いくら釣り糸を垂らそうとも、そこに魚がいなければかからない。
魚が居そうな場所に移動するのは名案に思えた。
「三方に分かれますか。誰かが釣れたら、その場所に集合しましょう」
わざわざ三人で固まって釣るより、それぞれが分散して魚が居そうな場所を探した方がいい。
そう考えた俺は、散開することを提案した。
「はい、それじゃあ、私はあっちへ」
『ミミね、あそこで釣ってみたいの』
「じゃあ、俺はあの辺に行ってみるか」
というわけで、それぞれ思い思いの場所に移動し、釣りを再開する。
今度はかかってくれるといいけど、どうだろう。
…………
移動後、数分釣り糸を垂らしただけで、大きく結果が変わった。
場所変え作戦は見事に成功し、魚が釣れるようになったのだ。
「いい感じに釣れるな。場所を変えてよかった」
これなら夕食も美味しい魚料理を堪能できそうだ。
と、ホクホク顔で釣れた魚をアイテムボックスにしまう。
ミミとフローラさんが釣れていないなら、こっちに集まった方がいいかもしれないな。
「ミミは釣れているかな?」
そう考え、ミミがいる方へ視線を向けるも、ここからでは姿が見えない。
もう少し移動しないとダメだな、と歩き始めようとした瞬間、妙な物が視界に入った。
「ん?」
何かが波に乗って砂浜に打ち上げられていたのだ。
かなりの大きさで不定形。流木や魚ではない。
それは波の力によって、砂浜と海の間を行ったり来たりしていた。
目を凝らし、流されてきたものの正体を突き止めようとする。
海草が絡まってよく分からないが、見たことがある形状だ。
「どこかで見たような……」
じっくりと見てしばらく思案する。
結果、それが浜辺に打ち上げられた人間だと、ようやく気が付いた。
「うお! 大丈夫ですか!?」
俺は慌てて倒れている人に駆け寄る。
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