325 新たな目的地に向けて出発したら、とんでもない事態に!?
その後、ギルドでエラさんに相談した結果、俺は結論を出した。
「と、いうわけで、無人島に行きます」
『はーい!』
「どういうわけですか?」
元気よく返事を返してくれるミミと、疑問を口にするフローラさん。
反応が対照的である。
「エラさんと話しているのを聞いていたでしょ? その辺りに海底洞窟があるからですよ。無人島に行けば街から海に出るより距離が縮まるし、丁度いいかと思って。しばらくそこに滞在して、モンスター討伐と影真珠探しをします」
「な、なるほど」
俺の説明を聞き、納得するフローラさん。
色々と情報収集した結果、街から離れた位置にある無人島に滞在するのが良いと判断した。
無人島は街で使われているモンスター避けの影響がないので、陸の近くでもモンスターがいる。
モンスターを討伐する際は、無人島から街に近づく形で倒していけばギルドマスターの依頼も果たせる。
そして、移動時間を節約できるので、海底洞窟探しも可能。
海上で生活するわけじゃないので安眠できる。
と、中々に好条件のポイントなのだ。
「じゃあ、行きましょうか」
俺たちはギルドを出て海に向かった。
皆にボートに乗り込んでもらった後、地図を取り出し、無人島の位置を確認する。
街の側にある無人島はひとつではない。
街から遠ざかる形で連なるように幾つかあるのだ。
俺たちが目指すのは街から一番離れた無人島。
連なる島を目印にして、順に進んで行けば迷うことはないだろう。
「それじゃあ、無人島に向けて出発します」
そう言ってオールを漕ぎ始める。
少しずつ漕ぐ速度を上げ、最終的にはグイグイと力強く行く。
すると、後方に見える景色が一気に遠ざかり、速度が増していくのが分かった。
今の速度を保てば、目的地までそれほど時間もかからないはず。
『しゅっぱーつ!』
「ひいぃいいい!」
ミミとフローラさんの声を聞きながら、リズミカルにオールを回す。
空は快晴、海は穏やか。
船を漕ぐにはもってこいの天気だ。
…………
「とうちゃーく!」
しばらく船を漕ぎ、目的地である無人島に到着する。
早速島に上陸し、ボートをしまって砂浜を歩く。
「この速度で来られるなら、街から移動しても問題ないと思うんですけど……」
俺の背後から、フローラさんの愚痴っぽい声が聞こえてくる。
最近気付いたが、フローラさんは感情的になった時、発声の詰まりがなくなる。
テリーさんと揉めた時、横抱きにして走った時や船を漕いだ時、ミミの泳ぎっぷりを見ている時もそうだった。
恐怖や怒り、驚きの感情が強く出た時、スラスラと話せているのだ。
演技と言うわけでも無さそうだし、何か事情でもあるのかな。
「まあまあ、もう来てしまったんだし、いいじゃないですか」
俺はフローラさんをなだめながら、周囲を見渡す。
「まずは、家を出す場所を決めましょうか」
砂浜に家を出すと、潮の満ち引きがややこしい。
もう少し陸に上がった場所で良いポイントを探したいな。
『ミミね、あそこがいいと思うの』
笑顔のミミが指差した先は崖の上だった。中々攻めた立地である。
が、高所に家を置けば、島と海の両方を見渡せる。
我が家は頑丈なので、逃げ場所を気にする必要もない。
モンスター討伐をする野営地としては悪くない選択かもしれない。
「おー、見晴らしが良さそうだね。じゃあ、あそこにしようか」
『やったー!』
ミミの要望を聞き、崖の上に家を設置する事に決める。
今日からしばらくの間は、あそこが俺たちの拠点だ。
崖上に家を設置した俺たちは、リビングに移動し一旦休憩を取った。
お茶と団子で一服し、再度砂浜に戻る。
「何をしているんですか?」
作業中の俺を見たフローラさんが問いかけてくる。
「山を作っているんです」
『おっきい山を作るんだよ!』
真顔で答えた俺に続いて、ミミが興奮気味に答える。
ミミは砂で遊ぶのが楽しくて仕方ないようだった。
砂浜に来たことは何度もあるけど、こうやって遊ぶのは初めてだからかな。
「討伐や、素材探しは?」
「今日は移動日なので、ゆっくりします。あまり根をつめると体に良くないですからね」
フローラさんの問いに、簡潔に答える。
ここ最近は休みなく動き続けていた。
拠点も完成したし、今日はのんびりいこうと思う。
「そ、そうですか」
「フローラさんも一緒にどうですか?」
と、砂山作りを勧めてみる。
「いえ、さすがにそれは……。私は食材の調達でも、してきます」
俺の誘いを断ったフローラさんは、釣り竿を振るジェスチャーをして答えた。
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