317 依頼に人が集まらないのは、とんでもない理由だった!?
その後、ギルドに行って試しにポイズンゼリーフィッシュの討伐依頼を受け、討伐部位を受付に提出してみる。
報酬は安かったが、これで海のモンスター討伐の流れは掴めた。
受付に来たついでに、エラさんに剣術指南の依頼がどうなったか聞いておくか。
「依頼はどうですか?」
「やっぱりダメですね。まるもっちーさんのランクが半端に高いのが影響していると思います」
「ランクですか?」
エラさんは、俺のランクのせいで人が集まらないと言う。
依頼を出した時、彼女が気にしていたのはそのことなのかな。
「低いランクの人は自分よりランクの高い人に教えたくないし、まるもっちーさんよりランクの高い人は剣術指南なんかしなくても、仕事が回っています。というか、今、この街に金級以上の冒険者はいないんですよね〜……」
と、説明を受けて納得する。
今の俺は銀級。微妙にランクが高い。
俺だって、自分よりランクの高い人に何かを教えるのは躊躇する。
それが冒険者のランクに直結する戦闘技術なら尚更だろう。
そして、俺よりランクが高い人だと、剣術指南の依頼はお金を稼ぐには効率が悪い。
充分な腕を持っているんだから、適当なモンスターを倒した方が手っ取り早いのだ。
が、それ以前に金級の冒険者がいないと言う……。
つまり、これ以上依頼を出していても望み薄ってことか。
「仕方ないか。一旦依頼を取り下げます」
エラさんに話し、依頼の掲示を止める。
残念だけど、他の方法を探すしかないか。
しばらくは海のモンスター討伐と、ミミの水泳教室に時間を割くことになるし、それが一段落したら、また別の方法を考えよう。
…………
翌日。
久しぶりに月の雫亭で一泊した俺たちは、朝食後に今後の予定を決めていく。
「よし、それじゃあ今日から海のモンスター討伐をやっていくか。午前中はミミの水泳教室で、午後からモンスター討伐でいこう」
今日から一日の予定を午前と午後で分ける。
ミミは泳げるようになるまで、モンスター討伐時は船で待機しておいてもらおう。
『はい!』
「はい!」
と、ミミとフローラさんから元気の良い返事を頂く。
「フローラさん、しばらく午前中はミミの水泳練習になるので、別のことをしてもらって構いませんよ?」
ギルドの依頼というわけでもないし、付き合わせるのは悪いよな。
そう思って言ったのだが、フローラさんは首を大きく横に振った。
「ついて行きます、師匠!」
「付いて来るのは分かりましたが、師匠じゃないです」
どうやら同行してくれるみたいだ。
退屈に感じたら、次の日からは別行動をするかもしれないし、それでいいか。
「えぇ〜……」
俺が否定すると、フローラさんががっくりと肩を落とす。
しかし、ここで適当な言葉をかけて元気付けると、弟子にしてくれと言われかねない。
ここは非情にスルーだ。
「まずは船を買うか」
海に出るなら、移動手段を調達しないといけない。
元の世界とは環境が違うので、錬金術で作るのは一旦止めておいた方がいいだろう。
もし自作するなら、買った物を使ってみてからだ。
「船ですね! こっちです!」
そう言って立ち上がったフローラさんが、張り切った表情で歩き出す。
俺とミミは慌ててその後を追った。
「いつも案内していただいて、ありがとうございます」
「お店のことなら、任せて下さい!」
店を探す際、フローラさんのお陰で迷わずに済む。
土地勘のない俺には非常に助かる話だ。
俺はフローラさんの頼もしい背中を追い、店を目指した。
「いらっしゃい。今日は何をお探しだい?」
フローラさんに案内されて付いたお店に入ると、陽気な雰囲気の店員さんが出迎えてくれる。
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