311 テリーさんから衝撃の発言が!?
OKしてくれる人を探して、一緒に教わるのが一番だろう。
「それで、まるもっちーさんはどうするんだ?」
「パーティー募集でもかけてみますよ」
ちゃんと詳しい事情を書いた募集依頼を出して、参加希望者を募ろう。
そうすれば何とかなるはず。
「募集をかけても、簡単には集まらないと思うぜ」
だが、テリーさんが難しいと言う。
そんなに大変な依頼とも思えないんだけどな。
「それなら、俺たちだけで行ってみますよ。なるべく陸に近いところで行動しながら慣らせば、なんとかなると思います」
できれば誰かの戦闘を見学したかったが、止むを得ない。
簡単なことから少しずつ慣らしていけば、どうにかなるだろう。
「なら、俺が行くよ。悪い、今日はパーティーを抜けるわ!」
俺の話を聞いたテリーさんがパーティーを抜けて、こちらの協力をすると言い出した。
「え、おい!」
その言葉を聞き、驚くカールさん。
「この間、命を助けられたって話をしただろ? それがこの人の従魔なんだ」
「ああ、あの話か。……分かったよ。今日は多目に見てやる。次はぶっ飛ばすからな」
「助かるぜ。まるもっちーさん、話はつきました。じゃあ、行きましょう」
「ええ? いいんですか?」
「いいんですよ。今まで姉貴の面倒を見てもらったようですしね。ほら、早く」
と、強引に外へ連れ出される。
宿の時といい、テリーさんの厚意には感謝しかないな。
俺たちは頼もしいテリーさんの背中を追いながら、ギルドを後にした。
…………
テリーさんの後に続き、港に到着する。
大きな漁船が停めてあるところを素通りし、人通りのない隅に着いた所で立ち止まった。
「今回は海のモンスター討伐の初歩ってことで、こいつで行きます」
テリーさんが指差した先には、小型のモーターボートがあった。
モンスター退治に使う乗り物としては、少々不安を感じる大きさだ。
「小さいですね。倒したモンスターを載せて大丈夫ですか?」
「海のモンスターは生息場所によって大きさが変わるんですよ。沿岸で遭遇するモンスターは、それほど大きくないんです。だから、大量に倒さない限りは問題ないですよ」
「へぇ、あんまり大きくないのか……」
陸のモンスターが軒並み巨大だったので驚きだ。
今回は大量討伐が目的ではないので、このサイズで充分という訳か。
「いや、沖に出れば巨大なのはわんさかいますよ? あまり油断しないでくださいね」
「気をつけます」
海にも巨大なモンスターはいるのか。
そうなってくると、船で漁をするのはかなり危険が伴うんだな。
「それじゃあ、乗ってください。あ、潜水服は持っていますか?」
「大丈夫です。ちゃんと買っておきました」
頷いた俺は錬金術で作った潜水服を取り出して見せた。
「今日は初めてですし、着替えてから行きましょう」
「分かりました」
「それなりの船で遠くまで出る場合は、現地で着替えたりもするんですけど、今回はそうすると荷物が増えますからね」
共用の更衣室に案内され、潜水服に着替える。
着てみると、体にぴったりフィットし、ウェットスーツのようだ。
体温を下げないような工夫がされているのかな?
潜水服を着終えると、ミミの着替えを手伝った。
「こんな感じかな。ヘルメットは後でつければいいですよね?」
手に持ったヘルメットを差し、テリーさんに尋ねる。
さすがにここで着用するのは気が早すぎるよね。
「それは水中に入る時だけでいいですよ。ところで、まるもっちーさんが戦闘で使用する武器は何ですか?」
「石を投擲するのと、射程の長い魔法ですね」
今のところ俺の攻撃手段はこの二つだ。
もう少しバリエーションを増やそうと画策しているが、中々うまくいっていない。
「ああ〜……。それは両方とも水中で効果が薄れるかもしれないですね。魔法ならゼロ距離で発動すれば問題ないですけど」
俺の言葉を聞いたテリーさんが難しそうな表情で腕組みする。
水中で石を投げたら効果が薄いのは分かるが、魔法も影響を受けるのか。
「そうなると、近接武器が必要か……」
「何か持ってますか?」
「一応、剣なら」
と、剣術指南の依頼に備えて購入しておいた剣を見せる。
「お、いいですね。今回なら、それがあれば十分ですよ」
武器の確認を行いつつ、着替え終わったフローラさんとも合流する。
「それじゃあ行きましょうか」
テリーさんの言葉に頷いた俺たちは、モーターボートに乗り込んだ。
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