304 とんでもない数を売却!?
翌朝、剣術指南の依頼確認と、解体した素材を売りに行くことにする。
今日は少しやることが多いし、帰りが遅くなるかもしれない。
家を出る前に、フローラさんにも説明しておくか。
「今日は、昨日解体した素材を売りに行くので、戻ってくるのが少し遅くなるかもしれません」
「分かり、ました。でしたら、私も街に帰っても、いいですか?」
「もちろん。買い物ですか?」
「いえ、しばらく家に、戻れないことを、伝えておこうと思って」
「ああ。それは言っておいた方がいいですよね」
突発的に出て、そのまま何日も帰らなければ家族が心配する。
報告に行くには、丁度いい機会だな。
というわけで、今日はフローラさんも一緒に街へ向かった。
街に着くと、後で合流する時間を決めて解散。
俺はギルドへ、フローラさんは月の雫亭へ向かった。
まずはギルドで依頼の確認を行うも、またしても空振り。
剣術指南って、不人気な依頼に分類されるのだろうか。
依頼確認後、素材買取所へ向かう。
「おはようございます。解体済みの素材の買い取りをお願いしたいんですが、大丈夫ですか?」
「ああ、アンガスが言ってたやつだな。いいぜ、準備はできてる」
俺の言葉を聞き、パットさんが思い出したかのような表情で頷く。
「お願いします。今回は百体分になります」
解体し終わった後、数を確認すると百を超えていた。
あまり大量に渡しすぎるのもどうかと思い、とりあえず切りのいいところで、百で区切ったのだ。
「百!? わ、分かった。それじゃあ、倉庫へ行こうか。付いて来な」
「はい」
百体分という数字を聞き、驚くパットさん。
倉庫に向かう足取りも、ちょっとふらついている。
むう、いきなり百は多すぎたかな。
でも解体は済んでいるから、捌き易いと思うんだよね。
「ここに出していってくれ。その間に手伝いを呼んでくる」
「分かりました」
説明を終えたパットさんは、人を呼びに一旦倉庫を離れた。
俺はその間にアイテムボックスから素材を出していく。
結果、あっという間に倉庫の一角が素材だらけになってしまった。
解体してあるから、乱雑につめないんだよね。
「待たせたな……、って、凄い量だな……」
素材を出し終えたタイミングでパットさんが帰って来る。
「これで百体分ですね」
「よし、査定するから、ちょっと待ってろ。お前らも取り掛かってくれ!」
「「「おう!」」」
パットさんの声に、後ろにいた人達が気合い充分と言った返事を返す。
それを合図に皆が素材の査定を始めた。
…………
数時間経った所で、パットさんがこちらへ近づいてくる。
「待たせたな。合計で金貨三百六枚だ。ランクの低いモンスターが多かったので、金額は落ち着いたな。素材ごとの詳細な買い取り価格についてはこっちを確認してくれ」
確かに森に居たモンスターは、それほどランクの高いモンスターではなかった。
きっと素材の買い取り価格が低いのも、冒険者に不人気になってしまっている原因のひとつなんだろう。
受け取った明細にざっと目を通し、問題ないことを確認する。
「ありがとうございます」
「何か引き取りたい物はあるか?」
「いえ、全て売却でお願いします」
肉や魔石は充分にストックがある。
全て売ってしまって問題ないので首肯する。
「分かった。それじゃあ、これが金貨三百六枚だ。確認してくれ」
テーブルの上にドン、とお金が入った袋が置かれる。
袋を開け、金額が間違っていないことを確認する。
一体分が安いとはいえ、数が多いからしっかりと高額になってるんだよなぁ。
「確かに」
「綺麗に解体してあるし、こちらとしては仕事が減って助かるぜ。また持ってくるんだろ?」
「ええ、近いうちにまたお願いします」
この調子だと、毎日通うかもしれないな。
「いつでも歓迎だぜ」
「それでは失礼します」
俺はパットさんに挨拶すると、その場を後にした。
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