301 いつも通りの討伐のはずが……!?
「フローラさんも攻撃してくださいね」
と、声をかける。
拘束してある個体なら弓で攻撃もしやすいはずだ。
「は、はい!」
どこかぼうっとした表情をしていたフローラさんが、俺の言葉を聞いてビクリとする。
そして、慌てて弓を構えた。
そんなに焦って攻撃して大丈夫なのだろうか。
フローラさんの行動を見守っていると、案の上矢を外す。
しかし、二度目でモンスターにヒット。
いい感じだ。
ミミに、全てのモンスターを倒してしまわないようにと、密かにアイコンタクトを送る。
一連の会話を聞いていたミミは意図を察したらしく、バチンとウィンクを返してくれた。
どうやら拘束したモンスターを数匹残してくれたみたいだ。
後はそれらをフローラさんに倒してもらおう。
その間に俺はモンスターの死骸を回収していく。
うん、初戦にしては中々いい感じだ。
…………
モンスターを見つけるたびにそんな事を繰り返していると昼になる。
一旦、昼食休憩をとり、再度討伐。
夕方になる頃には、結構な数を討伐する事に成功していた。
『いっぱい倒したね』
ふう、と一息ついたミミが手の甲で額を拭う。
「今日はこのくらいにしておこうか」
モンスターとの遭遇率が高いため、探す時間が省けた結果、かなりの数を倒せた。
接触した個体はどれも低ランクのモンスターであったため、戦闘に時間がかからなかったのも大きい。
初日としては十分な結果といえるだろう。
この調子で行けば、森のモンスターの数を相当減らせそうだ。
『はーい!』
「ええ〜……」
ミミが元気に返事をする横で、フローラさんが絶句していた。
戦闘の数が多すぎて疲れたのかな。
「とまあ、俺たちのモンスター討伐はこんな感じです。明日からも、しばらく森の中で討伐を続けますんで、そのつもりでお願いします」
「今日は、野営、ですか?」
と、フローラさんに尋ねられた。
今から帰れば、街に着く前に日が沈んでしまう。
そのことに気付いて聞いてきたのだろう。
「そういえば、言っていなかったですね。森でモンスター退治をする間は、ずっと森の中に留まるつもりです」
毎回街まで帰ると、移動時間が無駄になってしまう。
討伐を続けていけば、どんどん街から離れることを考えると尚更だ。
なら、ここで滞在した方が効率的なんだよね。
初めからそのつもりで行動していたが、フローラさんには一切話していなかった。
しばらく寝泊りは森の中になってしまうが、そこは我慢してもらおう。
「そうだったんですね。私、野営の道具は、何も持ってきて、いないです……」
と、しょんぼり俯いてしまうフローラさん。
「ああ、そこは心配しなくても大丈夫ですよ。今、家を出すんで待っていて下さいね」
「え!?」
俺がアイテムボックスから家を出した瞬間、フローラさんが大声を上げて固まってしまった。
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