245 特訓でミミの潜在能力が開花する……!?
翌日、第二回目の特訓を行うため、森へと向かう。
「というわけで森に来たわけだけど……」
いきなりモンスターと戦わせるのは心配なので、今日は道具の使い方を覚えてもらおう。
「それじゃあ、特訓を始めようか」
『特訓! 頑張るの!』
でも特訓って何? という表情でミミが固まる。
『何をするの?』
「まずは料理だね」
ぶっちゃけ、試験当日は弁当を持たせてもいい。
だけど、道具の使い方を総合的に覚えてもらうのに、料理が丁度いい気がしたのだ。
『ご飯!』
「うん。今日はサンドイッチを作ってみようか」
『分かったの!』
元気よく頷くミミに笑顔を返しながら、準備を始める。
今回は屋外での調理を想定して、全て外で行う。
「それじゃあ、始めようか。俺と同じことをしてね?」
『はい!』
「まずは魔法で手を洗って。調理器具を出す。後、テーブルと椅子も作ってみて?」
手を洗い、アイテムボックスからテーブルと調理器具を出す。
一応、踏み台も出しておき、こちらの作業が見やすいようにしておく。
『ん。手を洗って。根っこでテーブルと椅子を作るの。それで道具を出す……。出来たよ!』
「いい感じだよ。次は食材を出して洗う」
必要な材料を出してみせ、ひとつひとつ魔法で洗っていく。
今回の具材はレタス、トマト、チーズ、ハムでいく。
これなら野菜は皮むきの必要がなく、生でいい。
チーズとハムも焼かなくていいから、材料をパンに載せるだけだ。
『出来ました!』
「よく出来ました。そしたら、順番に切っていこうか」
と、説明しながら材料のカットに入る。
ここはゆっくり見せた方がいいな。
「こうやって持って、材料に手をそえるのはこんな感じ。手を切らないように気をつけてね」
包丁の握り方。素材の持ち方を見せ、切っていく。
出来上がったら、ミミの後ろに立って、様子を見た。
多少おぼつかない所はあるが、これなら手を貸さなくても大丈夫そうだ。
『うー……。切ったよ!』
ミミは、ゆっくりとひとつずつ材料を切り終えた。
俺も包丁の扱いはまだまだだし、これだけできれば充分だろう。
「うまいね。もし手を切ったら、患部を魔法で洗ってから、この団子を食べてね」
と、癒し効果スキルを注ぎこんだ団子を数個渡しておく。
これで怪我をしても大丈夫だ。
『切った時だけ?』
と、ミミが団子を食い入るように見つめながら聞いてくる。
食べたいのかな。後で別に大福を作って渡しておくか。
「おやつ用のは別に出すから、大丈夫だよ」
『えへへ』
「そしたら、パンにバターと粒マスタードとソースを塗って、切ったのを挟む。これでサンドイッチの完成だ」
初めての料理だし、なるべく簡単なものにした。
慣れてきたら、ベーコンや卵を焼いたのを載せるのもありだよな。
パンも表面を焼くとうまくなるし、次はフライパンを使ってやってみるか。
『出来たー!』
と、ミミが完成したサンドイッチを高々と掲げた。
完成したのがとても嬉しいらしく、サンドイッチを宝物のように見つめている。
「一人で料理できるなんて偉いね。じゃあ、次はこれに魔法で水を注いで、これに乗せる」
『はい!』
次は片手鍋に水を注いで、コンロに火をつける作業だ。
「こうやってボタンを押して、お湯を沸かすんだ。お湯になるまで時間が掛かるから、少し待ってね」
『……まだならないね?』
ミミがじっと鍋を見つめながら言う。
「熱いから気をつけてね。お湯やコンロ、鍋も取っ手以外は触っちゃダメだよ」
『分かったの!』
注意を聞いて熱いんだね、と強く頷く。
ミミなら、今の説明で充分理解してくれているだろう。
一応危ない行動をしないか、数度試してみておく必要はあるかな。
「お、そろそろかな。お湯になったらカップに注ぐ」
『注いだよ!』
「出来上がったものをテーブルに載せたら、完成だよ」
お湯を注いだカップとサンドイッチをテーブルに載せ、全ての工程を終える。
『わーい!』
全てをやり終えたミミは大喜び。
「先に後片付けを済ませたら、一緒に食べようか」
『うん!』
頷くミミと一緒に先に片づけを済ませてしまう。
こうしておくと食べた後が楽なんだよね。
「これがミミが初めて作った料理だよ。うまくできたね」
『マスターがどうぞ!』
完成したサンドイッチを褒めていると、俺に勧めてくる。
「俺が食べていいの?」
『いいよ!』
「それじゃあ、俺が作ったのをミミが食べてね」
『いいの?』
「いいよ!」
『んふふ♪』
結果、お互いが作ったサンドイッチを交換して食べることになる。
「よし、いただきます!」
『いただきまーす』
食事の挨拶をし、サンドイッチをパクリ。
うん、よく出来てる。
「ミミ、美味しいよ」
『マスターのサンドイッチも美味しいの』
笑顔でお互いの料理を美味しく頂く。
調理も危なげなく出来ていたし、心配無さそうだ。
これから特訓中は何度も料理をして慣れていってもらうおう。
「今度からは作る時に味見もしようね。そしたら失敗しにくくなるから」
『作ってるときに食べていいの?』
「うまく味付けできてるか調べるために、ちょっとだけね」
『ちょっとだけ!』
たくさん食べないように『味見はちょっとだけなの』と何度も繰り返すミミ。
それだけ言えば覚えられるはず。頑張れ!
味見を教え、本日の練習は終了。
残りは次回だ。
次からは試験に合わせた内容にしていくか。




