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243 銀級試験が驚愕の内容だった……!?

 

 まさかの試験内容に驚きを隠せない。


 俺が試験を受けるんじゃないのか。



 というか、ミミ一人でモンスター討伐なんて危ないことをさせるわけにはいかないぞ。


「主である冒険者の同行は不可。他の冒険者が野良のモンスターと間違えて狩らないように、印を付けての試験となる。制限時間内に指定のモンスターを倒し、死骸か討伐証明部位を街の正門まで持ち帰れば合格だ。冒険者と試験官は正門で待機。制限時間を過ぎれば、捜索許可が出る」


「あ〜、俺、錬金術師でした。テイマーじゃなかったなぁ〜」


 ギルドマスターの説明を聞き、うっかり自分のクラスを間違えていたことに気付く。


 いやあ、失敗失敗。


「お前、この街に来た時に錬金術を教わりに来たって自分で言ってただろうが。今さらそんなウソをついても無駄だぞ」


「ぐ……、しかし、ミミを危ない目に遭わせるのは……」


「なんだ、試験辞退か?」


「そ、そうですね。辞退しよっかなぁ……」


 ミミを一人でモンスターが生息する場所へ向かわせるくらいなら、無許可で乱獣の森に忍び込む方が増しだ。


 この際、ルールがどうこうなどと言ってられない。


 ミミの安全が第一だ。


「お前、白銀級のまま乱獣の森に入ろうとしてるだろ。ここまで来て何やってるんだ」


 と、ギルドマスターが呆れ顔で見つめてくる。


 う……、全部バレてる……。


「と、特別扱いでの入場をお願いします! 今までの功績全てをつぎ込んで特別扱いしてください!」


 こうなったらなりふり構ってられない。


 あらゆる手段を使って、森へ入ってやる。


「身も蓋もないこと言い出しやがった……。お前、ついさっきと言ってることがまるで違うじゃねえか。恥ずかしくねえのか?」


 大きくため息を吐いたギルドマスターが呆れ顔で見つめてくる。


「そんなものはミミのためならどうでもいい!」


 ミミと冒険者ランク、どちらの方が優先順位が上かなど、分かりきったこと。


「お前……」


 俺の魂の叫びに絶句するギルドマスター。


 どうやら、感動して言葉も出ないようだ。


 と、ここで会話が途切れ、室内に沈黙が訪れる。


 すると、隣に座るミミがちょいちょいと俺の手を引っ張った。


 どうしたのかな?


『マスター。ミミね、試験受けてみたいな』


「ミミ!?」


 衝撃の発言に目を見開く。


『ミミ、頑張るよ!』


 両拳を握りしめ、表情をキリッと引き締めてみせるミミ。


 凄くやる気を感じるぞ。


「くぅ……、俺のためになんて健気な……。でも、試験だと側にいてあげられないしなぁ……」


 せめて側で見守ることが出来ればよかったが、試験の場合、街で待機しなくてはならない。


 そんなの耐えられない。


 し、心配すぎるぞ!


 俺が逡巡する中、ギルドマスターがため息混じりに口を開いた。


「今日受けなければいいだろ。何日か練習してから試験を受ければ済む話じゃないか」


「それだ!」


 入念に練習を重ねればいいのか!


 練習中は同行できるし、俺も安心できる。


 それに、試験で行く場所に事前に赴き、危険な要素を全て排除してから挑めばいい。


 確実かつ安全に合格できる状況を事前に構築してしまうのだ。


 フフフ、冴えているぞ、俺。


「お、おう……」


 俺が急に叫んだせいか、ギルドマスターがドン引きした表情で言葉を詰まらせる。


 しかし、今はそんなことどうだっていい。


「ミミ、明日から特訓だ!」


 ミミの方を向き、グッと親指を立てる。


『特訓! かっこいいね!』


 俺の言葉を聞き、ミミは嬉しそうに声を弾ませ、座ったまま上体をピョンピョンと揺すった。


 どうやらワクワクした気持ちを抑え切れないようだ。


「それじゃあ、しばらく練習してきますので、準備ができたら、またお邪魔します」


 俺はギルドマスターの方へ向き直ると、今日は試験を受けないことを伝える。


 銀級試験は、もうしばらくお預けだ。


「おう、その時は受付で対応する。もうここまで来なくていいからな」


「分かりました。それでは失礼します」


『バイバイ!』


 俺とミミはギルドマスターとマーサさんに挨拶し、ギルドを後にした。


 工房へ帰った俺は、ジョゼさんとヴィヴィアンさんに事情を説明。


 しばらく特訓してから試験に挑むことを伝える。


 特訓中は魔走車の製作を手伝わなくて良いという許可を得て、その日から早速準備に入った。



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