242 銅級試験を受験するも、まさかの事態に……!
模擬戦で死亡事故なんて起きるわけないのに。
まるで俺が軽くこついだだけで、頭が破裂しそうな勢いで否定されたな……。
「万が一ということもある。悪いが、銅級へは無条件で合格とさせてもらう」
「わ、分かりました」
その場で合格という嬉しい話のはずなのに、微妙な気分だ。
「次に白銀級だが、試験で狩る指定モンスターは数種いる。しかし、お前は該当のモンスター以上に強いモンスターを単独で倒しまくった記録が残っている」
「つまり」
……この流れ、大体察してしまうぞ。
「合格要件を満たしている。白銀級試験合格だ」
「新たに狩る必要はないんですか?」
試験として、再度狩ってこなくていいのかな。
「もし、たまたま一体だけ倒していたなら、それも考慮した。数匹でも試験しただろう。だが、お前の場合は試験の対象よりはるかに強いアックスブルを単独で百頭以上倒している。今さらそれより弱いのを一体倒して来いと言うのもなぁ……。経費の無駄だと思わんか?」
と、逆に質問で返されてしまう。
「あの時はミミにも手伝ってもらいましたけど」
「テイマーならそれで単独扱いだ。問題ない」
「ギルドの職員が同行して、不正の有無を調査したりしないんですか?」
「同行はしないが、周囲の音を録音する魔道具を使う。そもそもお前はシプレの街で超がつくほど巨大なムカデを単独で倒したところを、多数というか街全体の人間に目撃されている。そんな大量の目撃証言があるのに、今さら不正がどうこうなどと言ってもしょうがないだろう? ……もし、どうしても気になるなら、こいつを付けて、その辺でジャイアントラクーンでも倒してこい」
と、ギルドマスターが腕輪型の魔道具を放り投げてきた。
ジャイアントラクーン、確か見た目はデッカいアライグマだったっけ。
「分かりました。ちょっと行ってきます」
魔道具を受け取った俺は、ソファから立ち上がる。
「え、ちょっと……」
急な展開についていけなかったのか、マーサさんが困惑の声を上げた。
俺は「すぐ戻ります」と説明し、部屋を出た。
ギルドから出た瞬間、一気にダッシュし街から外に出て、森へと入る。
適当にモンスターを探していると、あっさりジャイアントラクーンを発見。
投石で倒して、アイテムボックスへとしまうと、ギルドマスターの部屋へ急いで戻った。
「戻りました。ジャイアントラクーンです」
「え、今出ていったばかりなのに……」
戸惑うマーサさんをスルーし、アイテムボックスからジャイアントラクーンを取り出し、録音用魔道具をギルドマスターに返す。
ギルドマスターは魔道具に録音された音を確認し、頷く。
「はい、合格。床が汚れるから死骸はしまっとけ」
ギルドマスターに言われ、ジャイアントラクーンをアイテムボックスへ収納する。
これで白銀級試験も合格らしい。
あっさりしている気もするが、時間が掛かるよりいいか。
「次は銀級の試験だな。銀級は登録クラスによって試験内容が変わる。お前はテイマーだったな」
「はい」
ということは、クラスごとに専門的な技能の腕を試されるのかな。
「なら、従魔単独での指定モンスターの討伐だ」
「ええ!?」
まさかの試験内容に驚きを隠せない。
俺が試験を受けるんじゃないのか。




