24 初クエストを受けるも、とんでもない結果に……!
『その草だね。任せて!』
そう言うと、ミミは俺から離れ、トコトコと歩いていく。
そして、草があまり生えていない一帯で立ち止まった。
う〜んと力を溜めるような動作をした後、『ベンダーラ草さん、来て〜!』という掛け声とともに万歳。
次の瞬間、ミミの前方に大量のベンダーラ草がゴボッと生えた。
「え?」
呆然とする俺。
一応、生えたという表現を使ったが、実際見た光景は飛び出してきた、といった方が適切だ。
芽を出し、葉が開き、茎が伸び、なんて悠長な速度ではなかった。
成長した状態の草が、地面を割って飛び出してきたのである。
……何あれ、聞いてないんですけど。
『これで足りる?』
こちらへ振り返ったミミが尋ねてくる。
「あ、ああ……。これって、ミミがやったのか?」
『うん! 見本があれば、植物ならなんでも出せるよ!』
ニッコリ笑顔のミミ。なんと頼もしかわいいお姿か。
「助かったよ。こんなことができるなんて、ミミは凄いなぁ」
『……えへへ、褒められちゃった』
俺の言葉に顔を真っ赤にして照れるミミ。
しかし、こんなことができるなんて、思ってもみなかった。
うちの子はどうやら凄いらしい。さすがは草木の精霊、といったところか。
「よし、これだけあれば楽勝だ。早速抜いていくか!」
俺が気合を入れていると、ミミがちょっとキザなポーズで制してくる。
ん、なんだろう? まだ、草を生やすつもりなのかな。
俺の疑問を他所に、ミミが手を打ち鳴らす。
次に、『おいで〜』と言った瞬間、それは起きた。
全てのベンダーラ草が、しおれたようにグニャリと曲がる。
葉が地面につくと、生き物のような動きで、自ら根を引っ張り出した。
こう、浴槽に手をかけて風呂から上がるような動作で根が抜けたのだ。
大地の拘束から解き放たれたベンダーラ草は、根を足のように操り、ミミの元へ走り寄って来る。
「……怖ッ」
俺がおびえる中、ベンダーラ草たちはダッシュ。
ミミの前まで来るとバタリと倒れる。
それが延々と続き、気がつけばベンダーラ草の山が完成していた。
『マスター、終わったよ〜』
ミミが笑顔で両手を振ってくる。
「お……、おう。ほんとに終わっちゃったよ」
俺はミミの元へと駆け寄り、ベンダーラ草をアイテムボックスへ回収していく。
難なく採取完了。
俺が思っていた採取依頼とは何かが違う……。
――まあいいか。
「やっぱり五千か……」
アイテムボックスにしまいながら数えたら五千あった。
ウィンドウにもベンダーラ草×5000とある。間違いない。
依頼の千倍に当たる数を数分でゲットできてしまった。
どうしよう……。
悪いことではないが、ちょっと混乱する。
「よし、こういう時は休憩だ」
あまりの展開に驚きを隠せない俺は、気持ちを落ち着けるため、ミミと一緒に大きめの岩に腰掛けた。
次に餅スキルで大福を作り出し、二人で食べる。うん、甘い。
「甘いものを食べてると、落ち着いてくるな〜」
『大福、美味しいね〜』
空は晴れ渡り、時折吹く風が頬を撫でて気持ちがいい。
遠方を眺めていると、よく分からない鳥がピーヒョロロと鳴いている。
なんともいい天気だ。陽射しがぽかぽかと暖かく、ついウトウトしてしまう。
体側に重みを感じて視線を落とせば、ミミが俺にもたれて目を閉じていた。
ミミの頭を自分の太腿へ移し、頭を撫でてやる。すると『う〜』と気持ち良さそうな声を上げた。
俺も昼寝しようかな……。そんな誘惑に駆られるも、ここで眠るのは危険だ。
休憩が終わったら、さっさと街に戻って寝ればいい。
でも、暖かいなぁと、舟を漕ぐ。
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