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238/415

238 レース終了! 衝撃の展開に……!

 

 結果、ヴィヴィアンさんが見事一位。


 長距離レースで優勝を飾った。



 ゴールとなった特設会場は大賑わいとなり、祝福ムードが漂う。


 上位三位が表彰台に立ち、街長からトロフィーの授与が行われた。


 優勝したヴィヴィアンさんは一際大きなトロフィーを受け取る。


 その瞬間、大音声の拍手がヴィヴィアンさんを祝った。


 拍手に応える形で笑顔のヴィヴィアンさんがトロフィーを空に掲げてみせた。


 次に上位三位の入賞者インタビューへと移行していく。


 進行役にマイクを向けられたヴィヴィアンさんは「幼い頃からずっと刺激を与えてくれ、前を走ってきた才能ある友人にこの優勝を捧げたい」と話していた。


 それを聞いたジョゼさんがモジモジしていたのは言うまでもないことだ。


 最後に街長が登壇し、閉会の挨拶をして締めとなる。


 全ての行程を終え、魔走車レースは無事終了。


 俺たちもギルドへの報告を済ませ、報酬を貰って依頼完了となった。


 全てを済ませギルドから工房へ帰る途中、ヴィヴィアンさんが道のど真ん中で仁王立ちになって俺たちを待っていた。


「優勝したわよ」


 ヴィヴィアンさんはトロフィーを前に突き出し、白い歯を見せて笑う。


「ああ、おめでとう」


 と、ジョゼさんが心からの笑顔で祝福する。


「じゃあ、次ね」


 ヴィヴィアンさんはツカツカとジョゼさんに近づき、両肩を掴んだ。


「次?」


 意味が分からないといった表情で首を傾げるジョゼさん。


 隣で話を聞いていた俺もよく分からない。


「私とアンタで作るわよ」


「何を?」


「何とぼけたこと言ってるのよ。魔走車に決まってるでしょ。授賞式でバルバラさんに会ったから、交渉してきたわ。売約済みの魔走車が不慮の事故で大破したから、優勝者の私とジョゼで新作を作るので、買い取って欲しいってね。もちろん、了承は得てきたわ」


「よ、余計な事を……」


 ぐぬぬ、と絶妙に悔しそうな顔をするジョゼさん。


 きっと、新しく作って買ってもらうということを思いつかなかったからだろう。


「ふうん、バルバラさんに話をしない方がよかったかしら?」


「そうとは言っていない!」


「なら、やるの? やらないの?」


「やるに決まっている!」


「じゃあ、帰って打ち合わせよ。私とあんたで作るんだから、二倍良い物にしなくちゃね」


「ふん、二倍で済ますつもりはない」


「言ってくれるじゃない」


「……ありがとう」


 ジョゼさんは俯いてぼそぼそと感謝の言葉を呟いた。


 当然、顔は真っ赤だ。


「え、何か言ったかしらぁ?」


 絶対聞こえていたであろうヴィヴィアンさんが、わざとらしく耳に手を当ててニヤニヤと笑う。


「ありがとうと言ったんだ! 何度も言わせるな!」


「えー、聞こえなーい。もう一度言ってくれない?」


「老けたな! 耳が遠くなったんじゃないのか!」


「なんですってぇええ!」


「なんだぁあああ!」


 結局、いつもの睨み合いへ発展。


 手四つで組み合い、力比べを始める二人。


 ……これはしばらく終わりそうにないな。


 それにこの二人だと、今からやる打ち合わせも大変なことになりそうだ。


 俺は邪魔にならないようにしつつ、美味しい団子でも提供するかな。


「まるもっちー君、何を突っ立っているんだ、行くぞ!」


「当然、貴方にも手伝ってもらうからね。さっさと付いて来る!」


 俺がぼんやり考えていると、二人が凄い勢いで俺を掴み、工房へ引っ張っていく。


 今日は長い一日になりそうだ。



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