表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

234/415

234 トラブル悪化! 衝撃の事態に……!

 

 ドオン、という爆発音のような音とともに巨大な水柱が上がったのだ。


 現状を把握できず、選手たちが騒然となる。



「何かが爆発したのか?」


「違う、よく見ろ! あれはスライムだ!! 沼の方から水を伝って来やがったんだ」


 隣に居た選手たちの言葉を聞き、目を凝らす。


 すると巨大な水柱はまるで生き物のように自在に動いているのが分かった。


 それが全てを飲み込もうと巨大な波のように変形し、停車している魔走車の方へ進みだした。


「皆さん、急いで乗車して後退して下さい! 先頭の魔走車の身動きが取れません! 早く!」


 俺は一台ずつ声をかけながら、一番前まで急いで駆ける。


 俺の声を聞いた選手たちは魔走車に乗り込み、即座にバックを始めた。


 しかし、最後尾が動かないことには衝突してしまう。


 そのため、思い切った速度が出せない。


 スライムが迫る勢いに比較すると、余りにも遅い後退となってしまっていた。


「このままだと、辿り着く前に先頭の魔走車が飲み込まれる。これでどうだ!」


 俺は走りならが小石を拾いこみ、投擲。


 強烈な勢いを得た小石はスライムに直撃し貫通。風穴を開けた。


 しかし、穴が空いたにもかかわらず、スライムは全くの無反応。


 ダメージを受けていないかのように動きに変化がない。


 穴は見る見るうちに塞がり、元通りとなってしまった。


「効いていないのか……?」


 ならば、無属性魔法だ。


 と、駆けながら魔力を練って、腕へ集束させる。


 走りながらだとうまく魔力が練れず、大した威力は期待できない。


 しかし、何もしないよりは増しだ。


「もちもち波!」


 今までのことを考えると極少過ぎる光線が発生し、スライムを貫く。


 消し飛ばすことは叶わなかったが、動きを止めることには成功した。


 これで今の内に先頭まで行けると思ったが、残り三台というところでトラブルが発生。


 なんと魔走車が起動できずに止まっていたのだ。


「くそ、なんでこんなときに……!」


 選手が焦りながら起動を試みているが、魔走車は無反応。


 全く動く気配を見せない。だめだ、これ以上待っていると危険だ。


 俺は魔走車に近づくと、アイテムボックスへ収納した。


「貴方の魔走車は一旦預かります! 前の魔走車に乗せてもらって後退してください!」


「おい、早く乗れ!」


「すまねえ!」


 選手同士が助け合い、魔走車が発進する。


 しかし、停滞している時間がかなりあった。


「時間を取られた。このままじゃあ、先頭の魔走車が……!」


 焦った俺が振り向くと、ジョゼさんとヴィヴィアンさんがつかみ合いの口論をしていた。


 ……こんな時に、あの二人は何をやっているんだ!?


 ジョゼさんがヴィヴィアンさんの腕を振りほどき、何かの作業を始める。


 あれは……、魔法陣?


「ジョゼ! 何やってるのよ! 逃げるわよ!」


「お前は早く後退するんだ! 私はスライムを足止めする! 魔走車内の魔石と手持ちの魔石を使えば何とかなるはずだ」


「そんなのいいから早く!」


「後退速度が遅い。このままでは追いつかれて全員飲み込まれる。だから!」


 魔法陣を描き終えたジョゼさんが指を鳴らす。


 次の瞬間、ジョゼさんの魔走車を中心に大規模な結界が発生し、スライムの進行を妨げる障壁となった。


 スライムの大きさは凄まじく、結界は完全に覆われてしまう。


 結界には強力な力が加えられているらしく、細かいヒビが大量に入っていく。


「何やってるのよ! そんなことしたらアンタの魔走車が!」


「うるさい! いつまで止まっているんだ! 早く出せ!」


 ジョゼさんは声を荒らげるヴィヴィアンさんに反論しつつ、ヴィヴィアンさんの魔走車へと飛び乗った。


 魔走車が後退を始めた瞬間、俺とジョゼさんの目が合う。


「まるもっちー君も下がりなさい!」


 擦れ違いざまにジョゼさんが叫ぶ。


 その声を聞いても、俺は迷って立ち止まっていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

   

新連載は、こちらから読めます!

   

   

+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ