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232/415

232 レース中にとんでもないことに気づく……!?

 

 その日はざわついた雰囲気が収まらないままに一日が経過。


 翌日を迎えることとなる。


 …………


 二日目は曇り、昼から豪雨となった。


 雨は激しさを増し、視界に影響が出るほどだ。


 雨天の中、無理に抜こうとする魔走車もおらず、レースは天気とは真逆に穏やかな展開となった。


 激しい雨のせいで地面の状態も悪化し、事故の発生が懸念されたが全車無事チェックポイントへ到達した。


 そして三日目。早朝には雨も弱まり、スタート時には止んでいた。


 前日のどしゃ降りがウソのような晴天を向かえ、レースは順調に進行。


 翌、四日目のチェックポイントが折り返し地点となる


 そして四日目。順位がはっきりとし始めた。


 一位と最下位ではかなりのタイム差が出ており、簡単に逆転ができる状態ではない。


 大きく見れば上位、中位、下位の三グループに分かれ、順位を争っている感じだ。


 そのグループを抜けて上に上がったり、下に落ちたりするようなことがなくなってきた。


 そんな中、ヴィヴィアンさんは一位へと躍り出ていた。


 大手工房とのデッドヒートを繰り広げながらも、一位の座を死守している。


 長距離レースは魔走車の規格が大きいため、間近で見ると大迫力だ。


 ついヴィヴィアンさんを応援したくなってしまうが、ここは我慢。


 スタッフとして、中立を貫かねば。


 そんな感じで上位陣のレース展開を見守りながら、俺とジョゼさんは後を追う。


 四日目ともなると、多少の余裕ができ、軽く雑談する事も可能となっていた。


「ジョゼさん……」


「どうした?」


「俺、思うんですけど」


「ふむ?」


「ジョゼさんも長距離レースに出たらよかったんじゃないですか?」


 ここまで普通に上位陣にぴったり張り付いている状態を見ると、そう思ってしまうのも仕方がない。


 出場したら結構いい成績を残せていたんじゃないのかな。


「……言いたい事は分かる。君からすれば上位グループに食いついている私の魔走車なら、優勝を狙えたんじゃないかと思っているのだろう」


「はい。危なげなく走っているから……」


 舗装されていない道をスイスイ進む様を横でずっと見ているから、余計にそう思ってしまう。


「それは色々な条件が重なっているからだ。そもそも長距離レースは道が舗装されていないところがあるので二輪で高速走行するのは危険なんだよ。あと、レースとなると他の選手とコース取りを争わなければならない。こんな小さな魔走車で、大型の魔走車相手にそれをやると危険だ。今は特別扱いを受けているから、速く走れているように見えているだけだ」


「……そうか。そこまで考えていませんでした」


 競争相手とカウントされていないから、自由に走れている分、うまくいっている。


 そういうことなのか。


「今私はレースに参加しているわけではないから、緊張していないし、追い詰められてもいない。だから、余裕を持って運転できている。出場選手も私を敵対視していないので、安全に走れている。その結果、上位グループに付いていられるだけだよ。そもそも長距離レースまでに調整できたのは君の錬金術の力があってこそだ。エントリーする時にそこまで考えられるわけがないだろう」


「それはそうでした……」


「そんなことより、私は君の走りぶりの方に驚愕するのだが……。四日間長距離を走り通しで、なぜ上位グループと併走できているんだ……」


「それは緊張していないし、追い詰められてもいないからで。出場選手も俺を運営と理解して、妨害してこないので安全に走れているからだと思います」


 数秒前に言ったジョゼさんの台詞をそのまま返す。


 実際、競争を意識していたら、もっと精神的に参っていたかもしれないしね。


「違う! そういう事じゃなくて、身体能力の話だ!」


「お、前の車両が水を弾いていますよ。一昨日の雨の影響かな」


 水はけが悪くて水たまりが出来てしまったのだろうか。


「話を逸らすな。と、言いたい所だが気になるな。現状、走行に影響はないようだから様子見だな」


「あ、この先はあの沼があるところか」


 と、ギルドマスターから依頼を受けて下見をした時のことを思い出す。


 確かこの辺りに沼があって、コースに水が浸食しないように岩で塞いだのだ。



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