23 初クエスト! 受けた依頼はまさかの……!?
翌朝、宿で朝食を済ませた俺は、道具類を揃えようと買い物に向かった。
前日、エドモンさんにお勧めの店を聞いていたので、そこへ向かう。
こういったところで迷わずに済むのは、本当に助かる。エドモン様様である。
ミミが歩いて見て回りたいと言うので、手を繋いでの進行となった。
街中なら野外で行動する時ほど警戒する必要もない。目的地までの時間を気にしなくていいし、モンスターが出ることもない。
こうやって二人でのんびりショッピングするのも悪くない。
買った物は生活雑貨だ。
まずは、荷物を入れる肩掛けの鞄。後は木製の皿、スプーン、包丁、石鹸、布巾、大きなタオルケット。それに加えて、お食事クッションも購入した。
これを使えばミミも、大人用の椅子に座って食事が出来る。
購入して揃えたのは、そういった日常生活に必要な物だ。
逆に、剣や盾のような武器や防具の類いは買わなかった。
冒険者として、いずれは買わなければならないだろうが、今はいい。
今日は薬草採取の依頼をしようと思っているので、不用と考えた。
もし、モンスターが襲ってきても、対応できる自信もある。
今まで投石で何とかなったし、それほど困るとも思えない。
「じゃあ、初依頼を受けにいくか」
『おー!』
買い物を済ませた俺たちは、依頼を受けるため、冒険者ギルドへと向かった。
ギルドに到着し、掲示板がある一角で依頼を見て回る。
掲示板には依頼書が大量に貼り付けられ、板の部分が見えないほどだった。
薬草採取の依頼も数件見つけることができた。
他にどういった依頼があるのか興味があったので、引き続き丹念に依頼内容を見て回る。
結果、鉄級向けの依頼は冒険者の仕事というより、何でも屋色が濃かった。
掃除、畑仕事の手伝い、土木作業なんてものもある。
「う〜ん、こういう依頼なら、失敗する可能性は低いよな」
高ランクの依頼ともなれば、強いモンスターの討伐なんかもある。
そういった依頼は失敗する可能性が出てくる。
逆に、掃除や畑仕事で失敗することは滅多にない。
つまり、安定してお金が稼ぎ易いということだ。
だが、冒険者としての経験が積めるかというと、疑問が残る。
エドモンさんはそういったことを加味して、薬草採取を勧めてくれたのかもしれない。
薬草採取は初心者向けで、難易度は低い。でも、冒険者として必要な知識や経験を積めそうな依頼だ。
俺は薬草採取の依頼書を見て回り、その中で難易度が低そうなものを選んで、受付へと持っていった。
兎耳のシモーヌさんの所で手続きを済ませ、薬草の見本を見せてもらう。
「これを採ってくればいいのか」
「はい。外はモンスターが出ます。くれぐれも気をつけて下さいね」
「そうですね、深入りしないようにしないと。それでは行ってきます」
俺はシモーヌさんに挨拶すると、ギルドを出て門に向かう。街の門から外の門へは前回同様、駅馬車を利用して移動した。
外に出た後はしばらく歩き、草原へと到着する。
「さて、探すのはベンダーラ草を五つなわけだけど……」
生い茂る草を見渡し、どうしたものかと考える。
普通にひとつずつ見て回っていると、かなり時間がかかりそうだ。
一応期限は三日以内となっているので、焦る必要はない。
とはいっても、報酬が銀貨三枚なので、あまり時間をかけたくない。三日で銀貨三枚しか稼げなければ、あっという間に貯金が底を付いてしまう。
『マスター、マスター』
と、ミミが俺の頭上から飛び降り、ヒラリと着地。相変わらずの身軽さだ。
「ん、どうしたの?」
『やっぱりお揃いがいいから、変えるね』
そう言うと、ミミはその場でくるりとジャンプ。
ポンという小さな音と共に、薄緑のオーバーオールを着用した姿へと変身した。
胸には花の飾りなんかが付いていて、ちょっとおしゃれだ。
色が薄緑なのは、蔦状のものを編んであるからだろう。
「おお、凄いな。そして、かわいい。ミミは何を着ても似合うな」
『うふふ、かっこいい?』
ミミが脚に引っ付いて見上げてくる。どちらかというと、かわいいです。
つい、頭を撫でてしまう。
「うん。ミミの新衣装がかっこ可愛いことは喜ばしいとして、薬草をどう探すかだな。お、そうだ……」
『何か思いついた?』
何か手っ取り早い方法はないものかと考え、固有スキルの鑑定を思い出す。
あれを草原に向けて使えば、一気に判別できるかもしれない。
そう思い立った俺は、鑑定スキルを草原へ向けて使用してみた。
結果、全ての草の鑑定結果が表示され、視界一面に草の名前が表示された。
名前と草は矢印で紐付けされ、どれがどの草かひと目で分かる……。
スキルを使った感覚だと、かなりの集中力を要したので、レベルMAXだからできる荒技なのかもしれない。
視界にある植物全てを一気に鑑定するって、よく考えるとすごい量だしね。
何はともあれ、一応思惑通りに鑑定はできた。しかし、問題も発生した。
「何が何やら分からん……」
一気に鑑定しすぎたせいで、文字と矢印が重なり合って読み取れない。
読めないどころか、視界が覆い尽くされ何も見えない。完全な失敗だった。
ならば、範囲を絞ってやってみるか、と再度試みるもうまくいかない。
今度は、ひとつの草しか鑑定できなかった。
一か全みたいな感じで、絶妙な塩梅でのコントロールができない。
「地道に探すか……」
鑑定採取作戦を諦めた俺は、ひとつひとつ草を見て回り、地道にベンダーラ草を探す。
そして、一時間かけて一つ目の発見に成功した。
「くぅうう、やっと見つかった……」
そこそこ苦労したので、喜びもひとしおである。
一つゲットできたことにより、生で見たときの雰囲気や、どういった場所に生えているかが分かった。
これで、二つ目を見つけ出すのが多少は楽になるはず。
『マスター。その草を探しているの?』
側で見ていたミミが聞いてくる。
「そうだよ、ベンダーラ草って言うんだよ。これが、あと四つ必要なんだ。もし、この草を見つけたら教えてね」
『その草だね。任せて!』
そう言うと、ミミは俺から離れ、トコトコと歩いていく。
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