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207 解散! まさかの事態に……!

 

「君なら魔走車も馬車も必要ないことがよく分かった……。シプレの街まで歩いてくと言っていた意味も今理解したよ」


「こういうことだったのね……。体で理解させられたわ……」


 そんなことを二人が息も絶え絶えに言う。


 そういえば、走っているところを見せるのは初めてだったかもしれないな。


「乗り物を利用した方が疲れなくていいですけどね。それにしても、ここもお祭りムードですね。色んな所にレース関連の演出がしてあるな」


『飾りが一杯ついててキラキラしてるね!』


 ミミと二人、村の飾り付けを見渡す。


 前の世界で言う、クリスマスやお正月的な演出が家々に施されている。


 中には横断幕を取り付けている家まであって本格的だ。


「それはヴィヴィの実家があるからな……」


 ジョゼさんがどこか寂しそうな表情で呟く。


「ジョゼさん?」


 疑問に思って近づこうとすると、こちらへ声をかけてくる人がいた。


「ヴィヴィアンじゃないか! どうしたんだい?」


「ご無沙汰しています。予選を通過したので両親に報告に来たんです」


 驚いた様子でおばさんが声をあげ、ヴィヴィアンさんと会話を始める。


「そうかいそうかい! 前回は二位で惜しかったけど、今回は優勝できると信じてるよ!」


「ありがとうございます。それでは失礼しますね」


「頑張りなよ!」


 ヴィヴィアンさんが軽めに会話を切り上げ、その場から足早に離れた。


 置いていかれそうになった俺たちは慌てて後を追う。


 その後もヴィヴィアンさんはすれ違う人全てに声をかけられ、応援されていた。


「よく見たら、レースの演出は全部ヴィヴィアンさんの応援のものなんですね」


 歩きながら家に飾られた飾り付けをよく見れば、それらは全てヴィヴィアンさんを応援するものだということが分かった。


 村を上げて応援しているみたいだな。


「そうだ。ヴィヴィは名門の学校を首席で卒業し、大手の工房へ入ってから独立。レースでは毎回好成績をたたき出し、この間は結界装甲車の最大サイズも更新した。地元では自慢の有名人なのさ」


「なるほど」


 ジョゼさんの説明を聞き、納得する。


 ヴィヴィアンさんは地元の有名人というわけか。


「ちょっと、止めなさいよ。私がああいうのがあんまり好きじゃないって知ってるでしょ」


 が、ジョゼさんの話を聞いたヴィヴィアンさんが不機嫌そうに呟く。


「すまない」


 ジョゼさんがしゅんと俯く。


 それからしばらく全員無言のまま進み、広場のような場所で立ち止まった。


「じゃあ、ここまでね。さすがに家までは行かないわよ。ほら、さっさとチケット渡してきなさい。私も実家に帰ってチケット渡してくるわ。集合は一時間後くらいでいいかしら」


「ああ、それで構わない。では行って来る。まるもっちー君たちはうちに来るといい」


「分かりました。それじゃあ、ヴィヴィアンさん、また後で」


「ええ。ジョゼ、きっちり報告してくるのよ」


「わ……、分かっている」


 集合時間を決め、ヴィヴィアンさんとは一旦別れた。


 俺たちはジョゼさんの家へ一緒に向かうこととなる。


 ジョゼさんの後に続いて歩いていると、村の外れにある一軒家へと辿り着く。


 ここがそうなのかな? と、思うも中々家に入らない。


 俺が様子を窺う中、ジョゼさんは家の前で行ったりきたりを数分繰り返した。


 入らないのかと聞こうか迷っていると、ジョゼさんが「よし」と覚悟を決めたように強く息を吐く。そして、玄関の扉を開けて中へ入っていった。



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