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202/415

202 予選終了するも、とんでもない事態に……!

 

「いいのか、ヴィヴィ」


「うちは野外にテスト走行へ行くから問題ないわ。施設の利用許可に関しては格安で提供する事にすれば、ギリギリセーフのはずよ」


 ヴィヴィアンさんは長距離レースに出場するので、逆に野外でのテスト走行が必要になる。


 その間、あの広い工房にあるテストコースが空くというわけか。


「すまない、恩に着る」


 と、姿勢を正したジョゼさんが深々と頭を下げた。


「そこまでしてあげるんだから、勝ちなさいよ」


「言われるまでもない。そのつもりだ」


「分かっていればいいのよ」


 あっという間に、二人の間で話がまとまってしまう。


 ジョゼさんとヴィヴィアンさんって本当に仲がいいよな。


 などと思って二人を見ていると、ジョゼさんがもじもじとしながら口を開いた。


「ところで頼まれついでに、もうひとつあるんだが……」


「何よ、さすがに部品はあげないわよ?」


「違う、そういう類いじゃない。その……、予選を通過したので、本選のチケットが手に入ったんだ」


「それはそうよね」


 ふんふん、と頷くヴィヴィアンさん。


 この話は俺も知っている。


 以前、ジョゼさんから聞いたが、本選に出場するのはこの街の錬金術師にとって、とても栄誉なことで目指すゴールのひとつとして認識されているらしい。


 その辺りのことを街長が汲んでくれて、本選出場者の家族、関係者を特別席に招待できる仕組みがあるのだ。


 自分の晴れ舞台に親しい人を招待してもいいよ、という粋な計らいなのである。


「それで……、だな。チケットを両親に渡して本選に招待したいんだが、一緒に実家に帰ってもらえないだろうか」


 ちらちらと様子を見ながら、ジョゼさんが俯きがちに頼み込む。


「い、嫌よ! なんでアンタと一緒に帰らなきゃならないのよ」


「そ、そこをなんとか! 家までじゃなくていいんだ。近くまででいいから」


「もう……、仕方ないわね。私の予選が二日後にあるから、それを通過したら一緒に報告に行きましょ。それでいいでしょ?」


「助かる! 予選も応援に行くから!」


 ヴィヴィアンさんからOKを貰い、ぱっと顔を輝かせるジョゼさん。


「応援は駄目よ! アンタはちゃんとテストしなさいって! 時間ないでしょうが!」


「わ、わかった……」


 もっともな事を言われ、ジョゼさんがしゅんとする。


「応援には俺が行きますよ。ジョゼさんの分まで目一杯応援しますんで」


『ミミも一杯応援するね!』


 応援は俺たちに任せてくれと、ジョゼさんに言う。


 どの道、ジョゼさんの作業は手伝えないので、しっかりと観戦して結果を報告しよう。


「いいじゃない。私も嬉しいわ。アンタも頑張りなさい」


「ああ! 家に帰る約束も頼んだぞ!」


「分かってるわよ。全く……、その元気を使って家に帰ればいいのに」


 というわけで、ジョゼさんの帰省にヴィヴィアンさんが付いていくことになった。


 この感じだと俺たちも同行するのかな?


 後で確認しておこう。



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