188 買い取り終了! とんでもない金額に……!
「状態は申し分ないよ。そもそもモンスターも一撃で仕留められているみたいで、初めから傷が少ないんだよねぇ。それを綺麗に解体してあるから、通常買い取り価格より上乗せしないといけない品質だわ」
「そ、そうなんですか」
「こいつは高く売れるねぇ。本当にいい物を持ち込んでくれたよ。明細を出すからちょっと待ちな」
そう言うと、シンディーさんがウキウキした様子でスタンディングデスクに向かい、ペンを走らせる。
そして、書きあがった明細を見せて説明してくれた。
「待たせたね。合計で金貨四千八百七十三枚だよ。何か引き取りたい物とかあるかい?」
「いえ、事前に必要な物は取っておいたので全て売りたいです」
その辺は抜かりない。
自分達で食べる分のお肉は確保済みだし、魔石は色々と使うので初めから持ち込んでいない。
今回は溜まっていた分を処分するのが目的なので、持ち込み分は全部売ってしまいたい。
「それじゃあ、一部魔金貨と魔銀貨での支払いで、合計金貨四千八百七十三枚だよ。確認しておくれ」
「確かに」
お金を受け取り、金額が間違いないことを確認する。
魔金貨と魔銀貨が使用されているので数え易かった。
って、これで大体五千万円か……。
解体していなかったら、量が多いと断られていたかもしれないな。
「毎度あり。また素材が手に入ったら売りに来ておくれ。あんな高品質な素材なら、いつでも大歓迎だよ」
と、煙たがられるどころか、歓迎されてしまった。これはちょっと予想外だ。
でもまあ、ほどほどが一番だろう。
「その時はよろしくお願いします」
「はいよ」
俺は笑顔のシンディーさんに見送られ、素材買取所を辞去した。
その後、工房へと帰り、夕食となる。
本日の夕食はハンバーグである。
「うん、この味。いい感じで再現できてるな」
形状の関係で味見できなかったが、ちゃんとハンバーグの味になっている。
火の通りもバッチリだ。うまく焼けていて良かった。
「ほう、ハンバーグは料理屋で食べたことがあるが、これはそれに引けを取らない出来だな。美味しいよ」
ジョゼさんの言葉を聞き、ギルドでハンバーガーがあったことを思い出す。
ハンバーガーがあるのなら、ハンバーグもあって当然か。
今度食べに行ってみたいな。
『ハンバーグ美味しいね。美味しいから一杯食べられそうなの!』
「食べたい時はまた作るから、食べ過ぎないように気をつけてね」
『んふー♪』
笑顔でハンバーグを頬張るミミを見て、俺も自然と笑顔になる。
本当にミミは何でも美味しそうに食べてくれる。
辛いのと苦いのは苦手だけど、それ以外に好き嫌いらしい好き嫌いはない。
作り手としてはとてもありがたい話だ。
ジョゼさんとミミが美味しいと言ってくれるとモチベーションに繋がるし、新しい料理へ挑戦したいという気持ちに結びつく。
二人が楽しそうに食事をする姿を眺めながら、俺は明日のメニューに思いを巡らせていた。




