184 お宅撤収! まさかの事態に……!
俺とミミは、マーガレットさん宅を辞去し、一旦工房へと戻った。
そして、ジョゼさんに依頼完了を報告し、書類を提出。
引き取ったコンロとオーブンを置くと、いつものように森へ料理に向かった。
森をさまよい、置き引きされそうな場所を探すと、ログハウスを設置する。
「今日はここでやってみよう。さて、恒例の置き引き用鞄作りといきますか」
今回はお金を多めに詰めてみる。
やっぱり大金が入っていた方が盗まれ易いよな。
鞄に手を合わせ、盗られますようにと念をこめた俺は料理をするため、ログハウスへ入った。
「今日はハンバーグに挑戦してみるか」
ハンバーグはかなり初期から思い浮かんでいたメニューのひとつだが、今まで手を出さなかった。
なぜなら失敗するポイントが多そうだったからだ。
結構メジャーな料理だが、意外と難しそうなんだよな。
だが、色々な料理を作った今の俺ならなんとか出来そうな気がする。
「じゃあ、やってみよう」
まずはタマネギをみじん切りにして炒め、大体火が通ったら取り出す。
そして、ボウルに炒めたタマネギ、自作合いびき肉、牛乳、パン粉、卵、塩コショウを投入して、よく練る。
ボウルは二重にして氷を敷いた状態で練った。
本当は冷蔵庫を利用するといいんだけど、まだ買ってないんだよな……。
次に手に油を塗ったら、作ったタネから適当な大きさ分を取り出す。それを両手の間で投げて空気を抜き、最後に丸く成形する。
成形するのもコロッケで何度もやったから案外うまくいった。
そして出来上がったものをバットに並べて行く。
全てのタネを使って成形を終えると、次は焼く工程だ。
焦げたり、ボロボロに崩れたりしないことを祈るのみである。
「さあ、焼いていくか」
熱したフライパンに油を引き、成形したハンバーグをそっと置いて行く。
置いた後、中心を押して凹みを作って火が通りやすいようにしておく。
両面の表面が焼けたら弱火にして蓋をして蒸し焼きに。
その際、水を少々入れておくのも忘れない。
「そろそろいいかな?」
蓋を開けて焼き具合を確認するといい感じだ。後は中まで火が通っているかどうか。
確認のため、串を刺してみると、中から透明な汁が出た。
よし、火の通りも大丈夫。
ハンバーグを取り出したら、残った肉汁にケチャップと中濃ソースを絡めてソースを作る。
皿に盛ったハンバーグに出来上がったソースをかけて完成だ。
ハンバーグは形状の関係で味見ができないが、匂いはいい感じだぞ。
この感じは多分大丈夫だろう。
ひとつ完成させた後はフライパンに複数載せて焼きまくった。
ハンバーグの匂いはミミに好評で、早く食べたいとせがまれてしまう。
ひとつ食べさせてあげようかと悩むもここは我慢。空腹が最高のスパイスとも言うし、夕食まで待ってもらおう。
大量のハンバーグを焼き、片づけを終えたら、鞄を確認するためログハウスの外に出た。
鞄は動かした形跡もなく、設置場所に残っていた。
鞄を開けて中を見てみるも、何も盗られていない。
「空振りか……」
今回も置き引きに遭うことはなかった。
被害が出たのがミルティユの街周辺と聞いていたが、中々ヒットしないな。
「今度は食料を多めに詰めてみるか」
もしかしたら、お金目的じゃないかもしれないしな。
次は食料メインで鞄を用意してみることを決める。
「よし。今日は、帰って夕飯にしますか」
『はーい! ご飯楽しみなの!』
ログハウスを片付け、森を抜けようとミミと二人で歩いているとモンスターと遭遇する。




