174 錬金術発動! とんでもない結果に……!
これで材料は揃った。後は錬金術で仕上げていこう。
「よし、これを錬金術で水分を抜いて乾燥させて、組み立ててみるか」
一度に沢山の工程をやると魔力をどの程度消耗するか分からないので、皮をむき、水分を抜いて、一定のサイズでカットするところまでをやってみる。
いわゆる、材木から木材へ加工する工程だ。
創造補助スキルの力を借りつつ、魔力で魔法陣を形成。
魔法陣がトレントの死骸を囲む。
「木材になれ!」
魔法陣に魔力を通してパチンと指を鳴らすと同時に、錬金術が発動。
トレントの死骸は綺麗な木材の束へと変わった。
木材へ加工した際、除去した木の皮や枝、水分なんかは分離した状態でその場に残す。
今回は服のときのように無理矢理圧縮したりせず、不要なものを消去したりもしなかった。
魔力消費を減らすため、加工工程で出たゴミをそのまま残す形にしたのだ。
その中には、トレントの魔石も混じっていた。
「あれ? これって、モンスターの解体みたいなものだよな……」
材木の加工と思ってやっていたが、対象はれっきとしたモンスター。
それをバラしたわけだから、ほぼ解体と言ってもいいんじゃないだろうか。
今と同じ要領でモンスターの死骸に錬金術を使えば、簡単に解体できそうな気がする。
そのうち暇な時にでも試してみるか。
「それにしても……、魔力をほとんど消耗しなかったな」
今回の錬金術では補助の魔石を使用しなかったが、全く疲れなかった。
死骸内の魔石も使っていない。この感じだと、素材を加工するのは簡単にできそうだ。
――これで錬金術を使うのも三度目。
三回の試行の結果から考えると、魔力で物を生み出すのが一番消耗が激しいと分かった。というか、それ以外は大して消耗しない。
やはり、魔力で物を生み出すという行為は常軌を逸しているのだろう。
素材の加工や組み立てる工程なら、現物がある分、魔力の消費が少ないのかな?
これなら楽勝で小屋が作れそうだ。
というわけで、トレント木材を素材に、再度錬金術を発動。
今度は木材を組み立てる工程を実行した。
釘の類いがないので、木組み工法を採用してみる。
パチンと指を鳴らせば、あっという間に小規模なログハウスの完成である。
『わあ! お家ができたね!』
「初めて作ったにしては上出来すぎるな」
ミミと二人、出来上がった小屋を見つめる。
しかし、窓にはガラスがはまっていないし、入り口には扉も付いていないので、風通し抜群となってしまった。
今度金具類とガラスを買ってきて、もう一度錬金術をかければ完成だな。
いや、防虫防腐処理もやっておいた方がいいか。
などと満足げに小屋を眺めていると、急に傾いて倒れ始めた。
「危ない!」
俺は素早く近づいて、倒れそうになった小屋を支える。
そして、慌ててアイテムボクスへ収納した。
ほっとしてから地面を見ると、微妙に傾斜していることに気付く。
「そうか……、普通は地面を整地してから建てるよな」
それに日当たりなんかも確認するよな。
俺的には、小屋を移動させながら使う予定だったため、その辺りの注意がおろそかになっていた。
次からは気をつけようと心に留め、平たい場所に小屋を出す。
今日はこの状態で料理していくか。




