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157 買い物終了! とんでもない物量に……!?

 

 リチャードさんの話に相づちを打つも、話が見えてこない。


 全然俺と関係ない話の気がするんだけど。



「移転を翌日に控えたある日、それは起きました。なんと街を滅ぼしかねないほどの強大なモンスターが突然現れたのです!」


 リチャードさんが身ぶり手振りを交えながら、熱く語る。


「私はもうダメだと思いました。ここで死ぬと思いましたよ。まずあり得ないですが、もし生き残ったとしても店が潰れてしまう。店の移転を明日にして、全てが終わった気分でした」


 熱が入りすぎたのか、言葉を詰まらせたリチャードさんは胸に手を当てて深呼吸する。


 そして続きを語り始めた。


「そんな時です、貴方が現れたのは! あのモンスターを倒してくださったことは街の住人なら皆知っています! 本当にありがとうございました!」


 感謝の言葉と同時に、再度土下座。土下座というより拝んでいたのか……。


 と、ここまで聞いて話が繋がった。


 要は俺がヘルセンチビートルを倒した所を見ていたのだ。


 パレードをするまでもなく、厄介なことになっているな……。


「分かりました。分かりましたから、もう頭を上げてださい」


 また人だかりが出来そうになったので、リチャードさんの体を無理矢理起こす。


「貴方のお陰で皆助かりました。私も無事店舗を移転できました。近々オープン予定なので、是非お立ち寄りください! それでは!」


 リチャードさんは自分の店を指差した後、頭を下げて走り去って行った。


「まるもっちーは何やったの?」


「神様とか言われて拝まれてたね」


 ずっと事の成り行きを見ていたクラリッサさんとライラさんから事情説明を求められる。


 そりゃあ、あんなに騒がれたら気になるよね。


「大型のモンスターを倒しただけですよ。その側にあの人のお店があって、潰れずに済んだという話です。あの人がちょっとオーバーリアクションだっただけですって」


 うん、ウソは言っていない。


「「ふ〜ん……」」


 二人は怪しい者を目で探るように、じっとりとした視線を俺に向けてくる。


「さ、さあ、買い物も済んだし、帰りましょうか」


「ちょ、ちょっと押さないで」


「す、凄い力……、止まらない……」


 俺はクラリッサさんとライラさんの背を押し、強引にその場を去った。


 帰り道に何度か追及されたが、誤魔化し続けた。


 その内二人もだんだん飽きてきて、普通の話題に戻っていく。


 最後は魔走車レースの話をして盛り上がった。


 そうこうしている内に工房の前まで帰り着き、お別れとなる。


「お店を紹介していただき、ありがとうございました。これからよろしくお願いします」


『ばいばい!』


 二人に挨拶すると、笑顔で手を振ってくれた。


「またね」


「じゃあねー」


 二人の背を見送った後、工房へと入る。


 それじゃあ材料も調達したし、夕食作りといきますか。



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