151 スペース確保! お掃除大作戦!
「それで……、住み込みという話でしたけど、俺たちはどこで寝ればいいでしょうか?」
これからの方針が決まった所で、一番気になっていたことを尋ねた。
その……、なんというか……、足の踏み場もないくらい物が溢れかえっているんだよね。
「う……」
ジョゼさんは、何も答えられないのか、完全に黙り込んでしまう。
これは、寝泊りできる部屋がないと見て間違いないな。
「分かりました。今日は庭でテントを張ります。今日から明日にかけては大掃除をさせてもらいますね?」
片付くまで宿を取るか迷ったが、庭で野営する事に決める。
その方が寝る瞬間まで動けるし、ジョゼさんとも連携が取り易い。
これは助手生活の初日から大仕事になりそうだな。
「ああ……、来て早々すまない」
「いえ、ジョゼさんは作業に集中してください。昼食はどうしましょうか?」
やることに困らないのはいいことだ。
食事の用意もしたいところだが、そのあたりは相手の都合を聞いておいた方がいいよね。
「外で食べよう。準備に時間が掛かるというのもあるが、君達が来た歓迎会もしたいしな。夜は私が作ろう」
「いえ、俺が作りますよ。家事は任せて下さい」
作るというなら、時間に余裕がある俺が作った方がいい。
俺が料理する事で空いた時間は、作業か休憩でもしてもらおう。
家の状況を見る限り、家事が気分転換になっているわけでもないみたいだし、俺が片っ端から引き受けてしまおう。
「そ、そうか。分かった。それじゃあ、食事に行こうか」
今日の予定が決まった俺たちは、ジョゼさんの案内で食事へ向かうこととなった。
歓迎会ということで、ちょっとリッチな感じのお店での昼食はとても楽しいものだった。
美味しい料理を堪能し、ミミから貰った飴を皆で舐めながら帰宅。
ジョゼさんは帰ると同時に作業開始。
それと同時に俺たちは工房の片づけ開始となった。
ピカピカにしてやるぜ。
「さて、ジョゼさんは作業に戻ったし、俺たちは大掃除だな」
『お掃除頑張るよ!』
どこから始めようかと見回していると、ミミが元気一杯にやる気を見せてくれる。
頼もしいぜ。ミミがいてくれれば、片付けも楽しく出来そうだ。
「まず、いらない物の区別がつかないから、明らかなゴミだけ撤去していこうか」
工房内は部屋の中はもちろんのこと、通路まで物で溢れていた。
しかし、よく見るとゴミも混じっている。
全てが必要な物というわけではないのだ。
というわけで、初めはゴミ拾いからやっていこう。
片づけが下手なのか、片付ける時間さえ確保できていないのかは分からないが、やりがいがある現場なのは確かだ。
『こういうの?』
ミミが床に落ちていた紙くずを拾い上げて見せてくる。
「そうそう。というか、ジョゼさん食べたら食べっ放しにしてるな……」
食べ物が入っていたであろう紙袋が至る所に散らばっている。
考え事をしながら食事をしていたのだろうか。
ジョゼさんの行動を想像しながら、ミミと二人、徹底的にゴミを拾い集めていく。
それだけで随分とスッキリしてきたぞ。
ゴミ集めが一段落したので、次はキッチンの流しへと向かう。
そこには汚れたままの食器類が山積みとなっていた。
「よし、次は洗い物だ。まずは食器類から魔法で仕上げるか……」
本来なら、これだけの食器を洗うとなると、結構な時間がかかる作業になる。
だが、俺には生活魔法という強い味方がいる。
いくら食器が山のようにあろうとも、魔法一発で済むから楽勝なのである。
と、思っていたらミミが俺の手をくいくいと引っ張ってくる。
なんだろうと見下ろせば、『ミミがやってもいい?』と聞いてくるので笑顔で頷く。
「どうぞどうぞ」
ミミも生活魔法は得意なので、ここはお任せしよう。




