148 助手入りの結果、とんでもない事態に……!
煙が消えると同時に、ゴトンと金塊がテーブルに落下した。
なんとか成功したみたいだ。
「「……ぇぇぇ」」
「あ、出来ましたよ。でも凄い疲労が……。魔力を消耗しすぎたか?」
ジョゼさんとヴィヴィアンさんが何か言っているようだが、うまく聞き取れない。
立っているのも辛い。ぼんやりと視界が霞む。
ここまで消耗したのは初めてだ。
「「卒業!」」
疲れた俺がソファに座り込むのと同時に、ジョゼさんとヴィヴィアンさんがやけくそ気味に声を揃えて叫んだ。
二人ともちょっと涙目に見えるけど……。
「あの……、まだ助手になって数分しか経ってないんですけど」
軽く説明を受けただけで卒業とはこれいかに。
「錬金術の真髄どころか、未開の領域まで到達したのよ。私たちに教えられることなんて何もないわ……」
「うむ……。むしろ私たちが教わりたいくらいだ」
ヴィヴィアンさんの言葉に、ジョゼさんが深く頷く。
「「よって卒業! 免許皆伝!」」
またもや二人が声を揃えて、やけくそ気味に叫ぶ。
「いやいや、きっとほかに学べることが沢山あるはずですよ! 矜持とか、心構えとか! 知識だって偏ってるし、色々知りたいです!」
何も教わってないのに一人前と認められるのには抵抗がある。
百歩譲って技術が追いついたとしても、錬金術師としての道というか信念とかを教わるべきだと力説する。
俺からすれば何もやっていない感の方が強い。
これで卒業を言い渡されるのは、さすがに辛いぞ。
と、そんなやりとりをしていると随分と疲れが取れてきた。
消費した魔力が回復してきたのかな?
「……それもそうか。私の仕事ぶりを見て道を学ぶということだな。って、そんな立派なものでもないんだが……。ま、まあ、作業を見て応用を学ぶくらいはできるかもしれないな」
「技術は知識が伴ってこそだものね。発想の一助になるかもしれないわ」
俺の言葉に、ジョゼさんとヴィヴィアンさんがそれぞれ呟く。
そしてお互いに見つめ合って頷いた。
ジョゼさんがこちらを向き、意を決した表情で口を開く。
「よし、卒業撤回! 助手として色々学んで行ってください!」
「なんか頼まれた……」
うう、変な感じだな。
「だって貴方の方が錬金術が上手いんだもの。言葉遣いに戸惑いが出るのは仕方ないでしょ?」
「は、はい……」
ため息をついたヴィヴィアンさんに愚痴っぽく言われ、頷く。
なんかすみません。




