147 試行したらとんでない結果に……!?
話を聞いただけなら、なんとかなりそうな気がしたけど、難しいのかな。
「あはは、いくら君が凄まじい魔力を持っていたとしても、不可能だよ。非常に精密な作業を短時間で何度も行わなければならないからね。例えるなら、数瞬の間に目に見えない針穴へ糸を同時に何本も通さなければいけないようなものだぞ」
無理だよ、とジョゼさんが笑う。
そこまで不可能なことなのだろうか……。
案外なんとかなりそうな気がするんだけどな。
「魔力で魔法陣を描き、素材を魔力で代替して生成、完成品の詳細なイメージを軸に素材を合成して現界させるのよ。精密な魔力の操作だけではなく、あらゆるものに対する正確な知識が必要とされるわ」
ヴィヴィアンさんが捕捉するように説明を付け加える。
つまり、その順番にやっていけば、事実上はできるはずなのか。
聞く限り、創造補助スキルを使えば、何とかなりそうな……。
ちょっと試してみようかな。
「なるほど……、魔力で魔法陣を描いて、素材を魔力で生成、そして完成品のイメージを高めて……。実際にやる場合は、何を作るか先に決めておかないとですね」
ヴィヴィアンさんの言葉を復唱しながら、何を作るか考える。
やっぱり錬金術っていうくらいだし、金を作ってみるか。
金貨……は、偽造になっちゃうから塊でポンと出す感じで。
そうだ、延べ棒がいいかもしれない。
金の延べ棒を持つって、ちょっと憧れてたんだよね。
などと思いながら創造補助スキルをどうイメージして発動すればいいか考える。
この場合、魔力を金に変える魔法陣にすればいいのかな。
いや、金の延べ棒か。
魔力で金の延べ棒一本を作る魔法陣のレシピと考えながら、創造補助スキルを発動。
すると頭の中にレシピに該当する魔法陣が思い浮かぶ。
魔法陣は一分の隙もなく精密に描かれていた。
そんな頭の中に浮かんだ魔法陣に魔力を通していく。
完成された魔法陣を魔力で上からなぞる感じだ。
魔力を通し終わった瞬間、掌を前にかざすと、空中に淡く光る魔法陣が出現した。
「「……ぇ」」
急に魔法陣が現れたことに、ジョゼさんとヴィヴィアンさんが小さく声を漏らす。
だけど、これで終わりじゃない。
次は魔法陣が発動するのに必要な魔力を注ぎ込む。
俺は空中に浮かんだ魔法陣に触れ、魔力を注いだ。
う、結構持っていかれるな。
「最後に現界させる、っと」
最後に魔法陣発動の合図として指を鳴らす。
パチンという音が鳴り止むと同時に、空中の魔法陣が強烈に発光。
爆発するように白煙が巻き起こる。
煙が消えると同時に、ゴトンと金塊がテーブルに落下した。
なんとか成功したみたいだ。




