141 受付に着くととんでもない事態へ……!
飴を舐め、顔を蕩けさせるミミ。ご満足いただけたようだ。
手を繋いだ俺たちは飴を舐めながら歩き出す。
ミミが手を引くので見下ろすと、飴を片頬によせて膨らませた。
俺が驚いた顔をしてみせると、してやったりといった表情で頬を引っ込める。
飴を舐めるのが楽しくて仕方がないみたいだな。
「それじゃあ、まずはギルドへ行こうか」
『はーい!』
「残りはミミにあげるから、大事に食べてね」
そう言って飴の入った紙袋をミミに渡す。
ひとつずつあげてもいいけど、ミミなら一気に食べたりはしない。
ちゃんと楽しみながら少しずつ食べられるはずだ。
『貰っていいの?』
「いいよ!」
『わーい! ありがとう、マスター!』
紙袋を受けとり、満面の笑顔になるミミ。
紙袋を開けて中身を確認する。
『いろんな色があるね。次は何色がいいかなぁ』
「急いで食べたら、すぐなくなっちゃうよ」
『ッ! 大事にしまっておくの』
ミミはそう言うと慎重な動作で自分の収納鞄に飴の入った紙袋をしまう。
その後はずっと何色の飴から食べ始めるか綿密な計画を練っていた。
俺がそれに頷きながら話を聞いている内に、ギルドの前に着いていた。
観音開きの扉を開けて中へ入り、受付へと向かう。
受付担当の方は肌が青く、先端がハートのようになった尻尾が生えた女性だった。
「ミルティユの街の冒険者ギルドへようこそ。受付担当のマーサが承ります。本日はどういったご用件でしょうか」
「しばらくこの街に滞在するので手続きをお願いします」
俺はアイテムボックスから取り出したギルドカードを提出した。
このやりとりも大分慣れてきたな。
「お預かりします。少々お待ち下さい。……まるもっちーさんがギルドにいらした際は、ギルドマスターと面会していただくことになっているみたいですね。恐れ入りますが、ご同行のほどお願い申し上げます」
「分かりました」
マーサさんに案内され、ギルドマスターがいる部屋へ向かう。
今回もギルドマスターの部屋はギルドの最上階。最奥の部屋だった。
マーサさんが扉をノックすると、「おう、入れ」とドスの効いた声が返ってくる。
「ギルドマスター、冒険者のまるもっちーさんがお越しになりました」
「ご苦労、まるもっちーはそこへ座れ」
「失礼します」
ギルドマスターに頭を下げ、ソファに座る。
ミルティユの街のギルドマスターはクリストフさんにどことなく外見が似ている。
ドワーフなのかな?
「よく来たな。シプレの街でも大暴れだったみたいじゃねえか。今度はここにしばらく居る予定なのか?」
「はい、錬金術を教わる予定です。ですので、依頼を受ける頻度は低いと思います」
街への滞在目的を考えると、依頼を受ける回数は必然と少なくなる。
しっかりと、そのことを伝えておく。
これで無理難題を押し付けられる可能性は低くなるかも?
「なるほどな、分かった。とりあえず、こちらから頼みたいことは三件ある。断っても構わないが、内容だけ話させてくれ」
「どんな依頼でしょう」
とりあえず内容だけは確認しておこう。




