137 衝撃のご褒美が決定……!
私はオレリア。金級冒険者だ。
私の隣には、同じく金級冒険者のニコルが歩いている。
彼女は口を尖らせ、不機嫌そうにしていた。
機嫌の悪い理由は、まるもっちー達と別れたせいだろう。
「ねえ、やっぱりミルティユの街に行かない? まるもっちーとミミちゃんもいるし、そっちの方がきっと楽しいよ」
「楽しいかどうかで判断してどうするのよ。強くなるのが第一目標でしょ」
私たちがコンビを組んだのは修行のため。
強くなるためなのだ。
そうなると、まるもっちーと一緒に行動していてはあまり意味が無い。
彼は強すぎる。
側にいれば、戦う機会が減ってしまい、修行にならない。
戦いを見ても差がありすぎて、参考にならない。
自分を追い込むためにも、一人で行動する方がいい。
実力の拮抗したニコルなら一緒に居てもいいけど。
ニコルもそのことは理解しているようだった。
だが、納得はしていない。
「それはそうなんだけどさぁ」
相変わらず不服といった表情で愚痴る。
「気が変わるのが早いわね。強くなって驚かせるんじゃなかったの?」
「う……、そういえばそうだった。が、頑張るよ!」
私の言葉を聞き、当初の目的を思い出す。
「その意気よ。でも辛い修行ばっかりじゃ滅入るわよね」
ニコルは気分屋だ。集中力にも大きな波がある。
彼女がしっかりと修行に取り組むには、ご褒美が必要だろう。
「そう! それはそうだと思う!」
「凄い食いつきね……。現金なんだから」
予想通り。ここは餌をチラつかせて、やる気をださせるのが一番ね。
「なんで〜。オレリアもご褒美とかあったほうが頑張れるでしょ?」
「そうねぇ……、それじゃあ、もうすぐしたら開催されるレースの観戦に行きましょうか。最終レースならチケットがなくても、観戦できる方法があるらしいし……」
思いついたのは、近々開催される魔走車レース。
まるもっちーも錬金術の修行のため、ミルティユの街にいるし丁度いい。
それを目標に頑張ってもらうとしますか。
「うん! 行く行く!」
私の言葉に、ニコルは満面の笑顔で飛びついてきた。
「それまではみっちり修行ね」
「ふふ〜ん。次にまるもっちーに会うときには強くなって驚かせてやるんだ〜」
乗せられたニコルは上機嫌。
この状態になると素晴らしい集中をみせてくれる。
修行にもしっかりと身が入るだろう。
「私も負けないわよ」
「そうと決まったら行こ〜!」
お祭りの事で頭が一杯になったニコルが元気一杯に走り出す。
「急に走らないの。こんなところで消耗してどうするのよ」
私は駆け出したニコルの後を追い、声をかける。
これでしばらくは修行を頑張ってくれるだろう。
私としても、魔走車レースは楽しみだ。
まるもっちーとミミちゃん達とレース観戦できたら楽しそうである。
それを励みにわたし自身も頑張るとしよう。




