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135 解散と思ったら、とんでもない待ち伏せが……!?


「へぇ……、確かにあそこには錬金術の街。工房が沢山あるから、錬金術を学ぶ場所としては悪くないわね」


「はい、この街へ来る途中でたまたま錬金術師の方と知り合う機会があって、助手になる約束をしたんです」


「そっか、いつごろミルティユの街へ向かうの?」


「まだ考えていないですね」


 でも数日中には街を出たいな。


 あまり長居すると像を作る話が本格的になりそうだし……。


「追いついたと思ったら、また移動するのね」


 と、少し寂しそうな表情で微笑する。


「オレリアさんはこの街に残るんですか?」


「わ、私は……その……。爺さんから、村の恩を返して来いって言われて……。君の後を追って来たから……」


 オレリアさんはぷいとそっぽを向いて、言葉を詰まらせる。


 顔は見えないが耳が真っ赤だ。さすがに照れくさかったのかな。


 恩というなら、今回で盛大に返してもらった。


 むしろお釣りが出て、俺が恩返ししたいくらいだ。


「そうだったんですね。すごく助かりました。山までの道中が楽に進行できたのはオレリアさんのお陰ですよ。それに山から抜け出すときや、ムカデの攻撃を魔法で防いでもらって助かりました」


「ありがと。でも、君なら私がいなくても、きっとうまくやっていた気がするわ」


「いえ! それはあり得ません!」


「そんな、私に気を使ってくれなくてもいいのに」


「違うんです。そういうことじゃなくてですね……」


 俺はチラチラとニコルさんの方を見ながら口ごもる。


「ああ、なるほどね。そういう意味では少しは役に立てたのか」


「大助かりです!」


 本当に助かった。


 気まぐれな猫と猪突猛進な犬のような一面を併せ持つニコルさんと一緒に行動して無事に進行できたのはオレリアさんのお陰以外なにものでもない。


 それにヘルセンチビートルの攻撃を喰らわずに済んだのも、オレリアさんとニコルさんが魔法で妨害してくれたからだ。


 あの一撃を喰らっていたら、どうなっていたか分からない。


 そういう意味でも本当に感謝しかないのだ。


「ちょっとぉ、何で私の方を見るわけ? 色々心外なんですけど」


 ニコルさんが更に頬を膨らませ、二つの風船が出来上がる。


 が、オレリアさんがニコルさんを「よしよし」と、顎や背を撫でると、目一杯膨らんだ頬は一瞬で縮み、ふにゃっと弛緩した表情になる。


 オレリアさんがニコルさんを撫でながら、こちらに話しかけて来た。


「まあ、そんなわけだから、私もこの街を出るわ」


「村に帰るんですか?」


「いえ、修行の旅に出るわ。前回と今回の一件で自分の実力不足を痛感したわ」


「修行するの? なら、私も行く! 連れてって〜」


 と、急に会話に割り込んでくるニコルさん。


「え?」


「いいでしょ。減るものじゃないし。連れてってよ〜」


「もう、しょうがないわね。じゃあ、一緒に行きましょうか」


「やったぁ! よろしくね、オレリア」


「よろしく、ニコル」


 ガッチリと握手する二人。


 妙なコンビ結成の瞬間である。


「私もまるもっちーみたいにムカデを消し飛ばせるくらいになってやるもんね〜」


「え、それはさすがに無理じゃないかしら……。でも、もっと強くはなりたいわね」


「二人とも頑張ってください。俺も錬金術をマスターしてみせますよ」


『ミミもがんばるね!』


 皆で和やかに話し、それぞれの目標を語る。


「錬金術の勉強、頑張ってね」


「勉強か〜。私には無理だなぁ」


「錬金術を習得できるよう、頑張ります。それじゃあ、お疲れ様でした」


 俺は改めて二人に頭を下げた。


「お疲れ様。次に会うときにはもっと強くなってるからね」


「私も〜。凄くなって、びっくりさせてやるんだから!」


「俺だって負けませんよ。では、失礼します」


『またね〜!』


 皆で手を振り合い、別れを告げる。


 これにて依頼達成。臨時で組んだパーティーも解散である。


「よし、話は終わったか。ならこちらへ来い」


 と、思ったら、街長のバルバラさんが待ち構えていて路地裏に連行された。



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