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131 とんでもない別れに……!?


 俺がほっこりしていると、ミミが服の裾を引っ張ってくる。


『マスター、お団子出して?』


「お団子?」


『うん!』


「わ、わかった。これでいいの?」


 餅スキルで月見団子を数個出してあげる。


 すると、ミミはそれを大事そうに鞄へとしまった。


 何をしているんだろうと、様子を窺っていると、鞄からお皿とフォークを取り出す。


 そこへさっきのお団子を載せて女神さまの方へトトトと駆け寄っていく。


『あーん、して下さい!』


『『え』』


「すいません、そういえばあーんに憧れていたんです。そのお団子を食べさせてあげてもらえませんか」


 今一つ理解できていない様子の女神様たちに事情を説明する。


『そ、そうなの? それじゃあこっちにおいで』


『俺の膝に頭を乗せな』


『はい! いつでも大丈夫です!』


 女神様に膝枕してもらい、凛々しい表情で待ち構えるミミ。


『それじゃあ、あーん』


『あーん!』


 女神様の言葉に応え、ワクワクした様子でお団子を頬張る。


『次は私だな、膝枕を交代して皿をくれ』


『わかったわ』


『よし、あーん、だ』


『あーん! えへへ、ありがとうございました』


 ミミは女神様にお礼を言うと、受け取った皿とフォークを鞄へしまった。


「あーんしてもらえて良かったね」


『んふー♪』


 嬉しげに鼻息を鳴らし、ご満悦の様子。


 次にミミは鞄からタオルケットを取り出した。


『えっとね……、女神様。これ、ミミのタオルケットなの!』


『あら、いいじゃない』


『ふむふむ、タオルケットがどうかしたのか?』


『これはマスターから貰った大事なものなの。だから丈夫にしてください!』


『分かったわ。凄いタオルケットにしてあげるわ』


『よし、これでいいぞ』


 女神様は受け取ったタオルに手をかざす。すると光のようなものが注がれた。


 見た目には変化がないが、あれで丈夫になったらしい。


『女神様、三つもお願いを聞いてくれてありがとうございます!』


 ミミはタオルケットを受け取ると深々とお辞儀をし、お礼を言った。


『三つ?』


『タオルケットだけだよな?』


「もしかして、握手とあーんもカウントされているのでは?」


 首を傾げる女神様たちと一緒に首を捻りつつ、思いついたことを口にする。


『三つだよ!』


 ミミ、数は数えられるの、とキリッとした表情で言われてしまう。


『……本当だわ。貴方の心からのお願いのようね』


『こんなことでいいのか? いや、本人が心から満足いているようだし、いいのか……』


 どこか腑に落ちない表情でありながらも、納得した様子を見せる女神様たち。


「よかったね、ミミ。ちゃんとお礼も言えて偉いね」


『うふふ、凄いタオルケットになったんだって!』


 俺が頭を撫でて褒めると、嬉しそうにタオルケットを見せてくれる。


『三つは三つ。願い事は叶えたわ』


『じゃあ、私たちは行くから。ヘルセンチビートルを倒してくれて感謝するぜ』


 と、別れの言葉を口にする女神様たち。


 だが、セレーナ様の腕の中にはミミの姿が。


 セレーナ様に抱きかかえられ宙に浮いたミミがニコニコとこちらへ手を振ってくる。


 きっと抱っこしてもらえたのと、空に浮かんでいるのが楽しいんだろう。


 事情がよく分かっていないようだ。


「待って! ミミを置いていってください!」


『く、持ち帰りたい……』


『うちにも欲しい……』


「ダメですって!」


『ッ! 降ろして!』


 危険を察知したミミは、腕の中から抜け出してぴょんと飛び降り、俺の足にしがみ付いて隠れる。


『もう連れて行かない?』


 警戒も露わに、女神様たちを見上げていた。


『もう、冗談よ』


『それじゃあな』


「願いを叶えて頂き、ありがとうございました。ミミもさよならして」


『ばいば〜い』


 ひょんなところで再会を果たした女神様たちに別れを告げる。


 俺たちが見上げながら手を振っていると、体が徐々に透明になり、空に吸い込まれるようにして消えていった。



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