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128 決着! とんでもない戦いだった……!?

 

「ミミ! そのまま根っこを伸ばして高い足場を作れる!?」


『やってみる!』


 ミミの返事が聞こえたのと同時に、足もとに変化が現れる。


 木の根を編みこんだ足場が形成されたのだ。


 足場は凄まじい勢いで上昇。ちょっとしたビルほどの高さまで伸びて停止する。


 これなら、周囲の建物を気にせず振り回せる!


「おりゃあぁあああああああああああああ!」


 俺は掴んだキバを支えににヘルセンチビートルの上体を浮かせ、ジャイアントスイングへと持って行く。


「ミミ! 俺を縛った根を放して!」


『了解!』


 ミミに根の拘束を解いてもらい、全身でヘルセンチビートルを振り回す。


「向こうへ行けぇえええええええええええ!」


 その場で回転し、限界まで遠心力を乗せ、ハンマー投げの要領でヘルセンチビートルを投げ飛ばした。


 上空へと舞い上がったヘルセンチビートルは体や脚を動かしてもがくも行動不能。


 今がチャンスだ!


「うおおおお……」


 俺は腹部に意識を集中させ、魔力を増幅させる。


 最大、限界ギリギリまで高めた魔力を右手に集束。


 右手が激しく光り、細かく痙攣を始める。


 げ、限界だ。これ以上溜めると右手が爆発しそうだ……。


「ぐおおおおおおお! 正真正銘! 全力全開だッ!!」


 震える右手を左手で固定し、狙いを空中のヘルセンチビートルへ定めた。


「喰らえ! も ち も ち 波―――ッ!」


 魔法名を唱えると同時に、右手に集束した魔力が解き放たれる。


 ズゴゴゴゴッ! と凶悪な力の奔流が上方へ向けて吐き出された。


 俺が発動した無属性魔法は強烈な光線となってヘルセンチビートルに直撃。


 光の奔流はヘルセンチビートルを飲み込み、塵ひとつ残さず消失されることに成功した。


 あのデカブツを倒すことに成功したのだ。


「ふぅ、何とかなったか」


『やったね、マスター! 倒したよ!』


 軽く疲労を感じたので、額を手の甲で拭っていると、ミミが抱き付いて来る。


「ミミのお陰だよ、ありがとうね」


『んふー♪』


 お礼を言って抱き上げてやると、ミミが満足げに鼻を鳴らす。


 しかし、ミミが木の根で体を固定してくれなかったらどうにもならなかった。


 ヘルセンチビートルにからすれば俺は小石も同然。簡単に持ち上げられちゃうんだよね。


 相手を倒した解放感から、まったりとしていると、後方から喧噪が聞こえてくる。


 そりゃあ、あんな巨大なものが現れたら大騒ぎになるのは当然か。


 などと考えていると、衛兵と思しき人や野次馬っぽい人達がこちらへ大量に押し寄せてきていた。


「ま、まずい……。ここで足止めを食らうとオレリアさんとニコルさんのところへ行けない。一旦逃げるよ!」


『はーい!』


 事情を聞かれて、説明する事になれば時間を取られてしまう。


 が、ここで拘束されるのはまずい。


 オレリアさんとニコルさんが疲労状態のまま、森に取り残されており危険な状態なのだ。


 さっさと迎えに行かねば。


 説明は皆揃った状態でギルドマスターにすればいいだろう。


 俺はそう判断し、逃げるようにしてその場を後にした。


「ちょっとふらふらするな……」


 魔力を全開でぶっ放したせいか、走っても速度が乗らない。


『マスター、大丈夫?』


「少し疲れたみたいだね。まあ、あれだけデッカいのを吹き飛ばしたんだから、当然といえば当然だよな……」


 ミミに心配され、笑顔で大丈夫と答える。


 そりゃあ、あんな巨大なモンスターを倒したんだから、疲れて当たり前だ。


 皆と合流したら少し休憩した方がいいかもしれない。


 そんなことを考えていると、突然頭上から透き通った麗しい声が聞こえてきた。



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