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127 決戦! とんでもない戦いに……!


「くそ……、追いつく頃には街に着いてしまうな」


 木を薙ぎ倒しながら直進するヘルセンチビートルと、障害物をかわしながら走る俺とでは絶妙に差が縮まらない。


 ヘルセンチビートルが走ると地形が変わってしまうので、思うように速度が出せないのだ。


 追いつけないことに焦りを感じていると、シプレの街が眼前に見えてきていた。


 ヘルセンビビートルは障害物を無視して直線で進むため、意外なほど早く街まで着いてしまう。


 くそ、なんて速さなんだ。こっちも全力が出せないまでも、かなりの速度を出せているはずなのに……。


 街が近づいてもヘルセンチビートルの勢いは止まらず、そのまま防壁に衝突する。


 すると、光り輝く障壁が発生。結界が発動したのだ。


 ところどころひび割れ歪な形の結界は破片を散らしながらも、ヘルセンチビートルの体を跳ね返した。


 しかし、ヘルセンチビートルは跳ね返されて起き上がった上体を叩き付けるようにして再び結界に体当たり。


 体当たりをまともに受けた結界は粉々に砕け散り、光の破片が辺りに飛び散る。


 結界を破壊したヘルセンチビートルは防壁も体当たりで破壊し、農地へ突入。


 住宅街がある第二の防壁へ向けて突撃を始める。


 あっという間に第二の防壁へ辿り着き、体当たりすると、前と同じように結界が発生して突進を防ぐ。


 しかし、そこから先は同じ展開が待っていた。


 落下の勢いを使った体当たりで結界を破壊したのだ。


 俺がやっと追いついた時には、住宅街に狙いを定め、ヘルセンチビートルが鎌首をもたげる所だった。


「間に合え!」


 俺は走る勢いそのままにジャンプ。


 超長距離を跳躍し、防壁の上に立つ。


 ヘルセンチビートルは街の様子を窺っているのか、力を溜めているのか、まだじっとしていた。


 魔法を使うなら今のタイミングしかない!


 魔力を練って増幅させて、決めポーズを取り、高らかに叫ぶ。


「お餅モチモチまるもっちー!」


『マスター大好き、ミミ!』


 防壁の上でヘルセンチビートルに退治した俺たちは、二人同時に名乗魔法を発動、能力の底上げを図る。


 魔法を唱え終えたその時、ヘルセンチビートルがキバをこちらへ向けて上体を落下させてきた。


 狙いを街から俺へ修正したのだ。


「今度は放さない!」


 凄まじい勢いで落下してきたキバをがっちりと掴むと同時に、防壁が陥没。地面へ落下する。


 必死に踏ん張っていると、ヘルセンチビートルが俺を空中に放り出そうと上体を持ち上げ始めた。


「ミミ! 俺を根で縛って固定してくれ!」


『うん!』


 させないとばかりにミミに指示を飛ばす。


 俺の体にミミが生み出した根が絡みつき、地面に縫い止める。


 これでしっかりと踏ん張れる。力比べの状況に持ち込めば、勝機はある。


「ふぬぅおおおおおおお!」


 ヘルセンチビートルの引き上げようとする力に抵抗し、拮抗した状態を作り出す。


 ミミの作り出した根のお陰でしっかりと踏ん張ることができ、持ち上げられることもない。


 これならいける!



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