121 現地到着。調査の結果、とんでもないことが……!?
――翌日。
俺、ミミ、ニコルさんとオレリアさんという凸凹パーティーは、絶妙な性格バラスのお陰で特にトラブルが発生することなく目的地の側まで到着した。
ギルドマスターに様子を見てくるように言われた山が眼前にそびえ立つ。
「この山か……」
緑少なく、錆びて朽ちた槍の穂を連想させる岩山。
周囲の山より頭ひとつ高いせいで、かなり遠くからでも位置の確認がしやすかった。
接近すると、肌がひりつくような感覚が全身に走る。
「よし、突撃!」
「こら、走らないの」
いきなりダッシュしようとするニコルさん。それを、オレリアさんが襟首を掴んで食い止める。ナイスブロックである。
「どうやら周囲にモンスターはいないようですね。オレリアさんは何か気配を感じますか?」
周りを見渡すも、動く影は存在しない。オレリアさんなら何か感じ取るだろうかと、尋ねてみる。
「う〜ん、何とも嫌な感じはするけど、特別なモンスターの気配は感じないわ」
と、肩をすくめて首を横に振る。
今まで遭遇したようなモンスターの気配は感じ取ることが出来ても、それだけ。
異常や特別な何かはないと言う。
「悪の総本山って感じだよね」
ニコルさんが山を見上げながら呟く。
確かに、曇り空や稲光が似合いそうな山ではあるよな。
「雰囲気出てますよね。でも、見た限りだとブラックドラゴンが居た痕跡はありませんね。巣のようなものも見えないし……。ギルドマスターの言っていた通りだな」
ここに来るまでにブラックドラゴンが暴れまわった跡はほとんど見つからなかった。
むしろシプレの街周辺の方が多い。
山の周辺も、糞や食べられた動物の死骸的なものも見当たらない。
何もなくて不気味なくらいだ。
「しっかり調べた方がいいわね。もう少し周囲を回ってみましょうか」
「ぇ〜……、登らないの?」
オレリアさんとニコルさんで意見が別れる。
「じゃあ、俺がひと登りして、ひと回りしてきます。ちょっとここで待っていてください」
「ああ……、君なら造作も無いわね……」
「ここで野営するってこと?」
意味を察したオレリアさんが訳知り顔でため息を吐き、ニコルさんが困惑した表情で首を傾げる。
ここは、口で説明するより、実際にやってみせたほうが早い。
「すぐ戻りますんで。じゃあ、行ってきます」
俺はそう言うと、全体を調査するため、駆け出した。
さっと登って全体を見渡し、山の周囲を回りながら下山する。
途中、怪しい場所があったので、軽く辺りを調べる。
本格的な調査は二人に報告してからでいいだろう。
他に怪しい場所はないかと、もう少し調べる範囲を広げてみたが、めぼしいものは見つからなかった。
全てを終えた俺は、ものの数分で元居た場所へと帰った。
「戻りました」
ざっと全体を見て回り、二人と合流する。
「早! どうなってるの!? おかしいでしょ!」
「その反応に懐かしさを覚えてるわ。で、どうだった?」
驚くニコルさんを置いてけぼりにし、オレリアさんが落ち着いた声で聞いてくる。
「周囲には何もありませんでしたね。でも、山の中腹に洞窟がありました。最近になって崖が崩れて、中が見えるようになった感じのやつです。軽く覗いて見た感じだと、中はかなり広そうでした」
と、調査の結果を報告する。




