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117 報酬入手! とんでもない金額だった……!


「そうなんですよ……。信じてもらいたい相手に限って、信じてもらえないという……」


 リリアーヌさんの言葉を聞き、うんうんと皆、同時に深く頷く。


 妙な所で苦労させてしまったみたいだな……。


「ランクはダイアナとの話し合いで据え置きにすることで話がまとまっているんだよな?それなのに、今回の一件で一月と経たないうちにランクアップするのもおかしな話だ。だからランクアップはしない。街行く人に聞かれたら自力で対処しろ。というか、収拾がつかん」


「わ、分かりました」


 これは頷くしかない。俺が決心を固めていると、ギルドマスターがパンパンに膨らんだ革袋を取り出し、近づいてくる。


「魔銀貨で三十枚ある。かなり少ないが諸々の報酬だ。受け取れ」


 俺の目の前にドスンと革袋が置かれた。


「え……、でもギルドで依頼を受けて報酬は貰っていますよ」


 一応依頼後に報酬は貰っている。


 それとは別枠でこんなに高額のお金を頂いてしまってもいいのだろうか。


「依頼以上の働きをしているからな。その分だ。後で特別報酬出すって言っただろ? それだよ、それ。正直、安いくらいなんだから、遠慮すんな」


「魔銀貨三十枚ってことは、金貨三千枚……」


 ごくりと唾を飲み込んでしまう。


 令和の貨幣価値に換算して、およそ三千万円……。大金である。


「よし、解散! お前ら全員出て行け!」


 ギルドマスターは大声を張り上げ、皆に向けてシッシと手を払う動作をした。


「ぇぇ〜……」


 余りに理不尽な展開に俺は呆然としてしまう。


 しかし、他の皆はどこか納得した顔で頷いていた。


「俺は飲む。全員締め出して飲むんだ。こんなわけのわからないことが立て続けに起きちゃあ、飲まないとやってられん」


「し、仕事は……」


「ちゃんと仕上げてある。お前に報酬渡したら今日は終わりだ。お前が受け取らないと俺の仕事は終わらない。終わらないと飲めない。さあ、受け取るんだ!」


「は、はい」


「よし、解散!」


 ギルドマスターに押し出される形で、全員部屋から締め出されてしまった。


「すごい迫力だったな」


 バタンと閉められた扉を前に、つい呟いてしまう。


「「「「そりゃあ、そうなるわ」」」」


 皆が同時に肩をすくめて、ため息を吐いた。


「ええ!?」


「本当は俺も飲みたいが、これから仕事だ」

「俺もだ」

「私もです」

「山積みです」


 全員同時に、ふうとため息を吐く。


「「「「……それじゃあ」」」」


 俺に視線を送ると、皆、ぐったりとした表情でのろのろと歩き出す。


「あ、これ差し入れです。皆さんでどうぞ」


 俺は癒やし効果スキルをタップリ注ぎこんだ月見団子が入った袋を差し出す。


 するとみんなの表情が心なしか緩んだ気がした。


 今の俺にはこれくらいしか出来る事はない。


 皆さん、頑張ってください。



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