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116 自白したら、とんでもない展開に……!


「はい、全部俺がやりました」


 証拠を突きつけられ、項垂れた俺は自白。


 登場人物全員が集められて、犯人特定の推理ショーが開催されるのかと思いきや、犯人は特定され糾弾される場が設けられただけだった。


『ミミ、かわいいって……。えへへ』


「うん、かわいいな。間違いない」


 照れ照れするミミを愛でつつ、頭を撫でる。


「そこ、和まない!」


「あ、はい」


 リリアーヌさんに指摘され、姿勢を正す。


 すると俺の目の前にギルドマスターが立ち、頭を下げた。


 次いで、後ろに立つ皆もいっせいに頭を下げた。


「まず、感謝の言葉を言わせてくれ。お前のお陰で街の復興が格段にスムーズに進んでいる。数日前までは何一つ目途が立たなかったものまで、ゴールが見えてくる始末だ。ギルドを代表して礼を言う、ありがとう」


 と、ギルドマスターが机に頭突きする勢いで頭を下げた。


「お前がモンスターを倒してくれたお陰で、工事中に怪我人が出なくなった。皆の士気も上がったし助かったぜ。ありがとうよ!」


 と、ロックさんがサムズアップしながら、白い歯を見せて笑う。


「ルノンキュル大橋の修復は絶望的とまで言われていました。長期の計画が必要で、街にはかなりの痛手になる事が予測されていたくらいです。それが、定期便以外の流通が復活しました。まるで夢のようです」


 と、ロザリーさんが俺を見て微笑む。今日は仕事モード全開らしく、サボる話は出てきそうにない。


「そのお陰で、家も建つし、防壁も仕上がる。廃材の処理も並行して行える。人手が不足して手が回らなかったことはお前が全てやってくれた。他の奴らが仕事しやすいように下準備を整えてくれて助かったぜ」


 と、トマさんが腕組みしたまま何かを思い出すかのように何度も深く頷く。


「炊き出しでは飢えをしのぐのが精一杯と思われていましたが、差し入れのせいか、被災した人の心身が途轍もなく健康な状態で維持できています。皆、気力に溢れているので、ショックから立ち直るのがとても早くて驚いています。そして、上質な薬草が届けられたお陰で、不足していた回復薬の補充が叶いました。しかも、以前の在庫より品質が良いものが多い状態になっているという予想外のオマケ付きです」


 と、リリアーヌさんが読んでいた資料から顔を上げ、俺に笑顔を見せる。



「「「「まるもっちー、ありがとう」」」」


 再び皆が声を揃えて、お礼を言う。


「そんな……、俺はできることをやっただけです」


 ここまで言われると、さすがに照れる。


「ただ、問題もあります」


 ロザリーさんが眉根を寄せながら言うと、ギルドマスターがその先を引き継いだ。


「ああ。今言ったことを鉄級の冒険者が超短期間でやっちまったってことだ」


 難しい顔になったギルドマスターがため息を吐く。


「そうだな。誰に言っても信じてもらえないというのが、一番の問題になったからな」


「俺なんか、酔っ払ってると疑われたからな」


 ロックさんとトマさんが当時を思い出したのか、苦笑いする。


「そうそう、事情説明するのが一番大変だったんですよ?」


 リリアーヌさんもそれに乗っかり、俺に強調して言ってくる。


「なんか、すみません」


 俺の知らない所で、色々と迷惑をかけてしまったようだ。


「当初の約束はアックスブルの件を伏せるということだけだ。お前がこの街に来てやらかしまくったことについては隠しきれん」


「不可能ですね。目撃者が多すぎます」


 と、ギルドマスターとロザリーさんが突き放すように言う。


 まあ、そうなるか……。


「でも、見てない奴に話すと信じてもらえないんだよな……、これが」


「だよな。仕方ないから現地に連れて行って惨状を見せるって展開を何度やったことか……」


 何かを思い出すように中空を見つめたロックさんとトマさんがため息交じりに愚痴る。


 惨状って。言い方がひどいな。


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