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112 物足りないと、とんでもない量を追加……!?


「怪我がなくてよかったです。そういえば、ロックさんも地震がどうとか言ってたな……」


 モンスターの襲撃と地震のせいで、壁の修復が思うように進まないと言っていたのを思い出す。


「最近よく起きるんだ。週に一回くらいかな。だから、気をつけてはいるんだが、決まった時間に起きるわけじゃないから、どうしようもない部分もある」


 腕組みしたトマさんは険しい表情で苦々しげに話した。


「まあ、そうですよね」


 さすがに地震の予測は難しい。


 かといって、復興作業を地震が起きなくなるまで休止するわけにもいかない。


 なかなかに難しい問題である。


「何にせよ、お前たちが居てくれて助かった。ありがとうな! 幸か不幸か、地震のせいで解体作業は完了だ。後は、お前らと一緒に廃材を運搬するだけだな」


「それなら俺たちだけで大丈夫ですよ。ミミ、この間土砂を運んだ時みたいに、あの瓦礫を大きなまとまりにできる?」


『できるよ! 今度はもっとうまくできると思う!』


「ミミは頼もしいなぁ。頼りにしているよ」


『エヘヘ……、じゃあ、いくよ〜』


 ミミは得意気な表情で鼻を鳴らすと、瓦礫に向けて両手をかざした。


 すると大量の木の根が生え、瓦礫を複数の団子状に梱包していく。


「おお! ほんとにこの間よりスムーズにいってる……。やるな、ミミ!」


『んふー♪』


 あっという間に巨大な大玉が数十個完成した。


「じゃあ、これをアイテムボックスにしまって、っと」


 俺はそれらを片っ端からアイテムボックスへと収納していく。


 回収を終えると、綺麗な更地が姿を現した。


 しかし、小さいゴミは残ったままなので微妙に汚い。


「うーん……、もうちょっと綺麗にならないかな」


『マスター、そういう時は魔法だよ!』


「なるほど! 生活魔法か。それじゃあ……、魔力清掃!」


『わぁ!』


「うん、納得の出来だな……」


『ピッカピカだね』


 ついでとばかりに生活魔法を全体にかけ、ツルツルのピカピカにしておく。


 うん、いい感じだ。


「後は、集積地点に運ぶだけなんで、他の作業に移ってもらって問題ないですよ」


 廃材撤去を撤去した俺は、振り向いてトマさんに声をかけた。


「……お、おう」


 俺の言葉を聞いても、トマさんはぽかんとした表情のまま立ち尽くしていた。


 どうにも反応が薄いな。


 周りを見れば、他の冒険者も同様で、口を半分開けたままその場から動かない。


「じゃ、じゃあ、廃材を運んできます」


『出発しんこ〜!』


 俺は固まるトマさんたちに声をかけるとその場を後にした。


 …………


 ひとっ走りし、街の外れにある集積地点へ到着する。


「ここが集積地点か……」


『何もないね〜』


 ミミが言った通り何もない。


 しかしこのくらいの広さがないと、すぐに廃材で溢れ帰ってしまうだろう。


 俺はアイテムボックスから廃材を丸めた大玉を取り出して置いて行く。


 ミミに木の根を外してもらうおうかとも思ったが、ここからまた別の場所に移動させるならこの状態の方が管理がし易いだろうと判断し、そのままにしておく。


「よし、これで終わりっと。戻ろうか」


『はーい』


 ミミに声をかけ、元の場所へ戻ろうとするも、ある事がふと思い浮かび立ち止まる。


「うーん……」


『どうしたの、マスター?』


「トマさんからは言われてないけど、ついでに似たような場所の廃材も撤去しちゃうか」


 ここまで来る通り道でも解体作業は行われており、結構な廃材が出ていた。


 しかも、今の地震で倒壊した建物もある。


 依頼を受けた場所だけは綺麗になったが、その周りは瓦礫が山になっていたりするのだ。


 幸い、依頼が早く済んだので、夜までにはまだまだ時間に余裕がある。


 折角だし、もう少しやっておくのも悪くないよな。


 いちいち聞きに行って相手の手を煩わせるのも申し訳ない。


 間違ったら戻せばいい。さほど手間でもないし、先に片付けてしまって、後で確認しよう。


「よし、ドンドンやっていくか」


『おー!』


 俺は近隣の廃材を回収することを決め、走り出した。



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