110 新たな依頼はとんでもないものだった……!
ギルドマスターとロックさんが去り、ほっと一息。
そろそろ今日の依頼探しに赴くとしよう。
「さて、今日は何をしようかな」
『掲示板を見に行くの?』
「そうだね。何をするにしても、まずは依頼を探さないとな」
『行こ〜!』
ミミと二人、ぶんぶんと繋いだ手を振りながら依頼書が貼られた掲示板へ向かう。
何か街の復興に役立ちそうなのがあればそれを受け、見つからなかったら、受付で聞いてみよう。
「お、これをいってみようかな」
『はいざいてっきょ?』
見つけた依頼は廃材撤去。
資材運搬依頼をこなせた俺なら問題なくできそうだ。
「そうだよ。邪魔なゴミを掃除するんだ」
『この依頼はやったことないね』
「うん。じゃあ、受付に行くか」
『てっきょ、てっきょ!』
依頼書をはがして受付へと向かう。
「すいません、この依頼を受けたいんですが」
「あ、まるもっちーさん。依頼を受ける前に、資材運搬の依頼完了書を提出してもらっても構いませんか?」
「ああ、そういえば……。これです」
色々あって忘れさろうとしていた書類を提出する。
この書類を見ると、ギルドマスターとロックさんの顔が思い浮かんで来るんだよな……。
「はい、確かに。……手続きが終了しました。こちらが今回の報酬の金貨二十五枚となります。ご確認ください」
「は、はい。銀貨五枚の依頼だったのに……」
「逆算するとかなり安いですよ? こちらとしては経費削減できて大助かりです。それにしてもあの分量を一人かつ一日で仕上げるなんて、ありえないですよ」
「仕事と俺の能力の相性がよかったのかもしれないですね」
「そういう問題を超越しているんですけど……」
「と、とりあえず、今回はこの依頼をお願いします」
「はい。廃材撤去ですね。では、こちらの書類を持って現地に向かって下さい。責任者はトマという方です」
「分かりました。ありがとうございます」
「はい、お気をつけて。ギルドマスターには報告しておきますんで」
「まだ何もしてないのに!?」
「でも、同じ運搬系の依頼ですし……」
「く……」
俺は図星を突かれた表情で固まると、何も反論できずにギルドを後にした。
…………
今回の依頼は街中で行われる。
外に面する防壁まで移動する必要が無いため、それほど時間も掛からず目的地に到着した。
そこは廃墟が建ち並ぶ場所で、冒険者と思しき人達が解体作業を行っている。
今回は責任者の名前を聞いておいたので、その人を捜せばいい。
俺は、全体を見渡せる位置に立っている責任者っぽい人に声をかけた。
多分、この人じゃないかな。
「すみません、トマさんはどちらでしょう?」
「おう、俺がトマだ。てめえは誰だ?」
「廃材撤去の依頼を受けた、まるもっちーと言います。これがギルドカードと書類です」
「よし、問題ない。依頼を受けてくれて助かったぜ。防壁修理に人手を取られて、こちらまで手が回ってなくて困ってたんだ。この依頼は初めてか?」
「はい、何も聞いてないので詳細を教えてください」
「そんな構えることはない。簡単で単純だから大丈夫だ。ブラックドラゴンのせいで倒壊したり、住めなくなったりした建物の解体と撤去が作業内容だ。住居の解体は別の依頼を受けた冒険者がやっている。お前には解体して出た廃材を集積地点に運んでほしい」
「酷い壊れ方だな……。これもブラックドラゴンの仕業なんですね」
辺りの家屋はもはや人が住める状態ではなく、知らずに訪れれば遺跡と思うほど荒れていた。
「そうだ。街長たちが奮闘してくれたお陰で、奇跡的に死人は出なかったが、街中でも盛大に暴れまわったからな……。かなりの数が損壊している状態だ。修理するにも建て直すにも、まずは廃材の撤去が必要なんだよ」
「なるほど。それで、どの辺りから始めればいいでしょうか?」
辺りは荒れ放題となっており、どこから手をつければいいのかわからない。
かなり広範囲だし、どうしたものか。




