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103 とんでもない依頼を受け、驚愕の展開に……!?


「あの、すみません。ここが資材運搬依頼の現場で間違いないでしょうか?」


「ん、そうだ。何か用か?」


 頭にタオルを巻いた筋骨隆々の男が振り返る。


「冒険者ギルドで依頼を受けて来ました。依頼の詳細を教えていただけませんか」


 ギルドカードを見せ、書類を提出する。


「おう、来てくれたか。助かるぜ。俺はロック、ここの責任者だ。……さて、どこから説明したものかな」


 ロックさんは腕組みしたまま考え込む。


「まるもっちーと言います。よろしくお願いします。この街には昨日来たばかりなので、できれば街の人なら誰でも知っているようなことから教えてもらえないでしょうか」


「そうか、とうとう出稼ぎ冒険者が来るようになったか。これなら作業もはかどるぜ」


「あ、いえ、それは微妙に違うんですけど」


「細かいことはいいんだよ! じゃあ、説明するぞ。ついこの間、街の全域を覆っている防壁がブラックドラゴンによって大半が破壊された。俺たちはその修復作業を行っている。現状、モンスターが大量に生息しているエリアに近い場所から順に壁を組んでいる。お前にやってもらいたいのは、それ以外のエリアに修復用の資材を運んでもらうことだ」


「了解です」


「よし、後は資材が置いてある場所まで移動しながら話す、ついて来い」


 ロックさんは手招きしながら歩き出す。


 頷いた俺が後を追うと、現状を説明してくれた。


「ぶっちゃけ、修復作業は遅延している。モンスターと接触し易い場所から修理してるんだから当然の結果だがな。作業員がモンスターに襲われたり、修理中の壁がモンスターに壊されたりと散々だ。だが、街に入るモンスターの数を減らすためには、どうしても先に修復する必要がある」


「確かに。今、街にモンスターが入ってくるのは避けたいですよね」


 家屋が壊れている場所もあるし、モンスターが侵入してくれば大パニックに発展してしまう。


「ああ。厄介だが、やるしかねえんだ。けどよぉ、最近は地震までちょくちょく起きるんだ……。全く、弱り目に祟り目だぜ」


「モンスターと地震か……。かなり大変な作業ですね」


 作業とは無関係な障害が二つもあるとは……。厄介だな。


「おう、危ねえ仕事だ。まあ、俺も鬼じゃねえ。鉄級のお前にそんな危険な作業を手伝わせるわけにはいかん。だから、他のエリアの資材運びをやってもらうってわけだ。今のところ、その作業に向かえるのはお前一人だけになっちうまうが、そういう事情があるってことを理解してくれ。別にお前を邪魔者扱いしてるってわけじゃねえんだ。むしろ折角手伝いに来てくれたのに、初日に怪我されたら、こっちも大損害だから仕方ないんだよ……。お前のランクがもう少し高ければ、同じ作業に強制参加させるところなんだがな」


「なら、俺も行きますよ。他の人の邪魔にならないように動きますんで」


 こんなところで鉄級の弊害が出てくるとは。


 俺は自分も同じ作業を手伝うと申し出た。


「だから、駄目だって言ってるだろ。気持ちは嬉しいが、危ないんだよ。それに資材運びも立派な仕事だ。それをやってくれるだけで、すげえ助かるんだからよ」


「分かりました。……ここで他を詰めておけば、後の展開が楽になるか」


 言い渡された作業は無駄なものではなく、重要なものだ。


 一人でやるということは、周囲の目を気にしなくていいし、俺にとっては好都合かもしれない。


「お前一人でやるんだから、そこまでのことは求めてねえよ。気楽にやんな。とにかく怪我には気をつけろ。今、この街は街道の片方が機能していないために人手と物資が不足気味だ。治療するはめになったら普段の倍の時間と金がかかると思え」


「き、気をつけます」


「さあ、着いたぜ。これが運搬してほしい資材だ。壁に使う土と石、足場に使う木材だから壊れにくい。多少乱暴に扱っても問題ないぞ。運ぶのはそこの天秤棒と籠を使うか、荷車を使ってくれ。何を使うかは好みで選んでくれて構わない。本来なら馬車や蜥蜴車を使うんだが、今は使える労力の全てを防壁の修復に回しているから、人力便りってわけだ。こっちとしては長くやってもらえた方がありがたい。初日から無茶をして体を痛めないように気をつけてくれよ?」


「そうですね。やったことがない作業なので気をつけます」


 ロックさんの言葉に頷く。


「おう。これが運ぶ場所を記した地図と運搬量を書いた書類だ」


「……ほうほう。十ヶ所に運ぶんですね」


 軽く目を通すと、壁周りに等間隔で置いて行く感じだった。


「まあな。といっても一人でやるわけだから、一ヶ所へ運ぶのを数日かけてやってもらう感じだ。好きな場所を選んでいいから、気負うなよ。その内、応援も来るから無理すんな。とりあえず、今日は日暮れ前の五時に確認に来る。じゃあ、よろしく頼んだぞ」


 俺が「はい」と返事をすると、ロックさんは頷き返して現場へと帰って行った。


「よーし、やっていくか」


 気合を入れるため、資材の山を前に軽くストレッチする。


 俺の脚力とアイテムボックスを利用すれば、かなりの量を運べるはず。


 ちょっと頑張るか。



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