表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

102/345

102 ギルドでとんでもない依頼を受けることに……!


 リリアーヌさん。犬歯が鋭く伸び、特徴的な耳が印象的な人だ。

 尻尾もあるし、どことなく狼っぽさを感じるな。


「あ、いえ、大したことじゃないんですけど、聞いておきたいことがあって」


「どのようなことでしょう」


「街道の土砂の撤去はなぜ後回しになっていたんでしょう? 流通量にも影響が出ていたようですし、気になって」


 橋の建設はしょうがないにしても、土砂は撤去しておけばいいのに。


 そうすれば、山を登る必要が無くなる。シプレの街までのルートも随分と楽になるはずだ。


 ギルドマスターは他に優先順位の高い作業があるって言ってたけど……。


「ああ……、本当はいの一番に直したかったんですけどね。それより先に防壁の修復が行われているためです。街を守る壁が壊れたままでは、モンスターが侵入してきますので……。モンスターから市民を守るのが先決というわけです」


「そう言えば、上から見たときに木組みの足場が一杯見えたな……」


 以前、この街を高所から見下ろしたときのことを思い出すと、ただいま絶賛修理中という感じだった。


 確かにあの状態では、心許ない。というか隙間だらけだ。


「それは建設用の足場ですね。足場の中は空洞でまだ何もない状態です。ブラックドラゴンによってかなり広範囲に破壊されてしまったので、未だ修復の目途が立っていない状態なんです。それに防壁はただ石や土を積み上げるだけでなく、魔法で接着したり、コーティングしたりするんです。そして最後に結界を発生させる仕組みを組み込みます。だから壁が積み上がっても、錬金術師が来てくれないと最後の仕上げができないんですよ」


「ただの壁じゃないんですね」


 壁自体も魔法とかで強度を上げているのだろう。


 それに加えて、結界装甲陸船で見た結界も展開できるようになって、完成なのか。


「はい、モンスターの攻撃を退けるとても強固なものなんです。あんなに壊れてしまったのはブラックドラゴンの強さが異常なんですよ。一応壁を組む作業は進んでいますが、問題は仕上げですね。大量に錬金術師を呼ぶには街道が通れないとどうにもならないので……」


「そっちの方は大丈夫だと思いますよ。となると、壁の修復が次の課題か……」


 定期便の復活はまだ先になるけど、街道は通れるようになった。


 人の移動ならそれほど難しくないはずだ。


 となると、錬金術師が到着した時に壁が組みあがっていれば、作業が進めやすいな。


 けど、俺が壁を組む作業をしても、専門の人の足元にも及ばない。


 未経験者がでしゃばってもいいことはなさそうだ。


 何か俺でも手伝える作業があればいいんだけど。


「そうなんですか? まあ、その辺りは詮索するなと言われてたっけ……」


「その内ギルドマスターから話があると思いますよ。ちなみに、専門的な技術がなくても防壁の修復作業を手伝うような依頼ってありますか?」


「壁の修復に関わるものでしたら、土砂や石材の運搬なんて依頼もありますよ? 安くて大変だから、一番不人気ですけどね」


「じゃあ、それを受けます」


「え、いいんですか?」


「はい、一旦依頼書を取りに行ってきますね」


 不人気という事は滞っている作業かもしれない。


 運ぶだけなら俺でも出来るし適任だろう。


 その後、俺は依頼書を見つけ、再度列に並んで手続きを済ませた。


 後は現場に行って、渡された書類を見せればいいらしい。


 ということで、早速行ってみることにする。


 …………


「ここかな」


『着いたの?』


 街を抜け、畑を通り、防壁に到着する。


 シプレの街もタマリの街と同様、二重構造になっており、初めの壁を抜けると農地、二番目の壁を抜けると住宅街に通じる仕様となっている。


 二重の壁は二つとも破壊されており、外側の壁から修復作業を進めている感じに見えた。


 依頼の集合場所も外と接する壁の作業現場になっていた。


 現場に到着し、誰に声をかければいいのだろうと辺りを見渡す。


 こうやって近くでじっくり見ると、防壁が見事に壊れていることがよく分かる。


 トンテンカンと現場特有の音が響き、作業員の喧噪が合わさる。


 活気溢れる現場だ。


 その中でも一際大声を出して回りに指示を出している人を見つけ、声をかける。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ